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就職戦線分断あり

日本にいたときは日本人は日本で仕事をするのが当然という雰囲気がありました。外資系に勤めていても、同僚や友人との会話で海外への転職が話題に上がることはまずありませんでした。そんなことを話せるような雰囲気すらなかったです。就職エージェントから来る仕事も当然日本の仕事ばかり。海外就職の相談をしても「日本人にはムリ」と言われ相手にされません。世界中に拠点があるグローバルなエージェントも、海外の拠点ではグローバルネットワークを生かして海外就職の相談に乗っているのに、日本ではそういうサービスはほとんどやっていません。渋る相手に無理やりリサーチをお願いしたこともたびたびでした。また外資系の就職サイトにレジュメを登録しても反応があるのは日本からだけでした。

ところがこちらに来ると就職市場に国境はないのです。私の業界ではオーストラリアの会社は海外からの求職者を積極的に採用していて、場合によっては労働ビザのスポンサーにもなります。オーストラリア人も海外から来た人も、以前海外で働いていたなんてごく普通。国を超えて就職の斡旋をしているエージェントは珍しくないし、国に関係なくレジュメを登録して自分のアピールや職探しに使えるウェブサイトがたくさんあるし、自分の能力を多くの人や会社に知ってもらうのに便利なSNSが重要な就職ツールになっています。このようなインターネット上のツールは国境を簡単に破ってしまいます。

こちらに移住してからイギリスやシンガポールなど海外からも仕事のお誘いが来るようになりました。私はたぐい稀なスキルを持っているわけでもなんでもなく、私みたいな人は日本にもたくさんいます。今やっている仕事は日本にいたときとたいして変わりません。変わったのは住所だけ。私自身は何も変わっていなくてただ引っ越しただけなのに、どうしてこんなに違うのか?

一つには英語圏の就職市場では国境はそれほど重要ではないようです。その他、世間の「日本に住んでいる日本人」に対する見方にこんなフィルターがかかっていると思われます。
1. 日本に住む日本人は英語がしゃべれない
2. 日本に住む日本人は海外で仕事をしたいなんて思わない
3. 日本に住む日本人は仕事のやり方が違いすぎて海外では通用しない

1. 英語がしゃべれない
オーストラリアを含め海外で自分のことを日本人と明かすと、次に返ってくるのは、「英語上手ですね」「どこで習ったんですか」「今まで会った日本人駐在員は管理職でさえちっとも英語がしゃべれなかった」などといういつものせりふ。もう耳に大きなタコができてます。まわり中英語をしゃべる外国人だらけなのにね。でも実際私は今だってまわりの人が言っていることがわからなくて何度も聞き返したり、自分の言っていることがわかってもらえなかったり、冷や汗タラ? の毎日を送っています。ほんとによくオーストラリアの会社がこんな私を雇ってくれているもんだと感心しちゃうぐらい。そんな私でさえ上手の部類に入れてもらえるということからも、世界の人が見る日本人の英語のレベルが推測できます。世界の常識は「日本人=英語がしゃべれない」ですっかり定着しています。もちろん英語以外の言語で仕事をする機会もたくさんあるでしょうが、すでに世界の標準語としての地位を確立してしまっている英語が話せないというのは、世界の仲間に入りたくないという意思表示だと思われても仕方がありません。

2. 海外で働くことに興味がない
多くの国では経済やビジネスのグローバル化が既成事実になってしまった今、海外経験は自分の競争力を高める、キャリアアップにつながる、人生を豊かにするなどの理由から多くの人が進んで国外に出ていきます。オーストラリアはそんな人たちの集まりですし、アジアでもアメリカでもヨーロッパでもめずらしくないでしょう。そのために多くの若い人はまず海外の学校へ行ってそこから就職の道を探ろうとします。ところが今日本人は留学自体をあまりしなくなっており、しても短期ですぐに日本へ帰ってしまいます。そして最近は社会人も、海外駐在をいやがる人が多いようです。またSNSの活用も限定的。日本人は日本語の、日本人による、日本人のためのSNSは使っても、グローバルで一般的になっているSNSで日本に住む日本人を見ることは少ないです。一応話題になっているからと登録する人はいても、使いこなしている人は少ないのです。自分の存在を示さないということは、世界から見れば存在しないのと一緒です。

3. 日本人のやり方は海外では通用しない
日本の社会やビジネス習慣は特殊なので、日本にどっぷり浸かってしまうといきなり海外で現地人に交じって仕事をするのは難しいと思います。特に私が働くシステム業界では日本は完全にガラパゴス状態なので、日本のやり方は海外では通用しません。でも私の見る限り、海外と積極的に関わりを持ったり自国と違う社会で経験を積もうとする日本人は本当に少ないです。また海外駐在員の多くは日本人同士で固まり海外でも自分たちのやり方で仕事をしています。でも韓国や中国だって英語圏の国とは言葉も文化も習慣もぜんぜん違うはず。それでも彼らは海外で切磋琢磨しようとどんどん自国を飛び出して経験を積みます。そこには日本人の姿はほとんどありません。

かくして世界の労働市場は日本人が気付かないうちに日本を抜きにして回っています。


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テーマ : オーストラリア
ジャンル : 海外情報

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Nuggetさん

確かに海外からいろんなことを吸収した方がいいのはいうまでもないのですが、ここでの意図は就職市場から日本が外されつつあるという現実の危機です。


いつも楽しく観ております。
また遊びにきます。
ありがとうございます。

履歴書の書き方の見本さん

ありがとうございます。すごいウェブサイトをお持ちなんですね。また来てください。

楽天など最近社内公用語を英語にする企業が出てきていることについて、かなり進歩的なひとでさえ、「コトバは文化、英語化で日本の文化が失われる」などといっています。そういうひとに読ませてあげたいです。

とりこさん

ハハ、多くの国で複数言語を使いつつ自国の文化を保っていることと、日本がすっかり取り残されていることを知らないんですね。幸せ者です。

プロフィール

divayoshiko

Author:divayoshiko
よりよい生活と仕事環境を求めて、日本の会社を辞めてオーストラリアに移住しました。IT技術者として生活を確立するまでの様子、日々の生活や仕事のこと、現地情報、オーストラリアや日本について感じることなどをつづっています。メルボルン在住。
Twitter @divayoshiko

これまでの歩み
2009年
4月  技術独立ビザで永住権取得
2010年
1月  東京からブリスベンに移住
2月  シドニーに移住
4月  ブリスベンに移住
5-6月 メルボルンに長期出張
2014年
2月  メルボルンに移住

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