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厳しい就職市場でのサバイバル

世界経済危機以降、多くの先進諸国の経済が失速する中、自前の天然資源と中国の成長で悠々自適だったオーストラリアも、中国の成長の鈍化でいよいよ失速の波が押し寄せて来ました。公務員の多くが職を失い、今年2月には、オーストラリアの失業率は10年ぶりに6%を超えてしまい、そんな2月にメルボルンで就職活動を始めた私はその影響をもろに受けてしまいました。また5月には現在のアボット政権が緊縮財政案を打ち出し、個人の消費意欲と企業の採用意欲がさらにしぼみます。7月には私のいるビクトリア州の失業率は7%を超えてしまいましたが、新年度(オーストラリアは7月が新会計年度)になってようやく募集が多く出てきて、最近仕事が決まり、働き始めました。日本にいたときは外資に勤めていたので、朝会社に行ってみると仕事がなくなっていた(レイオフされた)ということが何度かあり、これまでの最高求職期間は5か月でしたが、今回はメルボルンに来て半年探していたので、これまでの記録を更新してしまいました。

時間がかかった原因は、他にもいくつか理由があります。まずメルボルンという新しい土地に引っ越したこと。同じ国とはいえ、これまで住んでいたブリスベンとはまったく違う国と思うほど文化が違います。以前住んでいたブリスベンよりずっと都会なのですが、古い歴史と他の都市にはない独特の文化があり、誰かの紹介で話が進む傾向が強いように感じました。ここはコネが物をいう社会のようです。とはいえ世界からの移民が非常に多い都市で閉鎖的ではないので、いったん社会に入ってしまえばいいのでしょうが、新参者には慣れるまでちょっと時間がかかるようです。ここの労働市場を観察しつつ、いろいろな業界や会社を訪問して多くの人と話をする機会が持てたのは、この市場をを理解する上で大変有意義でした。

今住んでいるメルボルン以外の仕事の話を進めなかったこともあるかもしれません。オーストラリアは広い大陸にもかかわらず仕事探しは全国区で、ジョブオファーをもらった仕事のある都市に引っ越すのはめずらしくなく、時には国境を超えることもあります。だから就職活動の環境もグローバル化、モバイル化しています。就職エージェントも全国区で活動していることが多いので、他都市の仕事やニュージーランドの仕事も持ってきます。たとえ居住地の仕事の面接でも、他都市にいる人と電話面接するのはよくありました。地元メルボルンの仕事の話で就職エージェントから電話がかかってくると、カナダやアルゼンチンからだったとか、イギリスや日本に出張中のヨーロッパ在住者と面接したこともありました。アメリカやアジア、日本の仕事の話が来ることもあり、特にIT職の場合、仕事に国境はありません。

もう一つの原因は、私の専門分野の一つである技術の需要が少なくなってきていること。巷には私と同じ専門職の人がたくさん職にあぶれていました。IT職の場合、技術の移り変わりが激しく、数年前と今とでは状況がまったく変わってしまっているのは目を見張るほどです。この国では日本とは比べ物にならないほど仕事が細分化、専門化されているため、狭い範囲の専門領域でトップレベルのスキルを確保し続けなければならないと同時に、どんどん入って来る新しい技術や変わっていく市場にも常に対応しならず、ここがITキャリアの難しいところではあります。求職期間中は幸い時間はたくさんあったので、この期間を利用して新しい技術を勉強できました。また変わっていく市場を見据えながら、これからのキャリア計画や、変化の激しい環境で自分の競争力を確保するための自己ブランディングなどをいろいろ考える機会が持てました。

IT職にかかわらず、これまであった仕事がなくなっていく現象が世界中で起きています。自動化やシステム化が進んで、これまで人手に頼っていた仕事が機械やロボットやソフトウェアに取って替わられます。先進国の仕事はコストの安い国に移っていくため、仕事の機会が減っていきます。また労働市場のグローバル化で、安い賃金の移民が入ってきて地元民の仕事を圧迫します。どんな職種でも、自分の仕事に将来はあるのか、どうやって生き残って行けるかを真剣に考えなければならない時代です。

新しい仕事は、今までの経験を最大限に生かせ、自分のキャリアプランにマッチしていること、さらにこれから伸ばしたい分野の経験が積めることが理想です。それと同時に収入源も確保しなくてはなりません。仕事がたくさんあるときはいろんな選択肢があったのですが、そもそも仕事が少ない場合、どこで折り合いをつけるかが難しくなります。専門領域でキャリアアップするには仕事内容に継続性があることが必要で、次に転職するときに「今の仕事は手っ取り早くお金がほしかったから選びました」とは言えません。

今はいままで安泰と思われていた連邦政府の公務員でさえバッサバッサと首を切られる時代。そしてグローバル化が進み、自分の住んでいる国の論理だけで物事が動かない時代です。どこかに職を得たしても、常にグローバル市場を観察しながら自分の市場価値を高め、自分の価値をどうやってお金に変えるか、そして5年後、10年後のキャリアにどう繋げるかをいつも考えておく必要があると改めて実感したのでした。


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求められるIT職種

とても役に立つ情報をありがとうございます。参考になります。
私も以前オーストラリアでIT職種で就活したことありますが、本当に狭い分野で専門特化されてますよね。

最近のIT職の求人の増減はどのような流れでしょうか?
例えば近年であれば、Senior Java Developerなどでの銀行システムの開発や、フロンドエンドにも強いバックエンドのWebエンジニアなんかだと、求人は結構あったと思うのですが。

また、IT職で仕事を狙う場合に、日本でいういわゆるITコンサルタントやERPパッケージ導入などの求人はいかがでしょうか。
たとえば、言語の問題があるので競争しにくいとか、パッケージでも製品や分野ごとに結構こちらの細分化されているのかなど、日本と特に違う部分と、最近の流れについてご存知でしたら教えていただきたいです。

オーストラリアの生活と共に、ブログも応援しています!


NUNUさん

お役にたててうれしいです。こういう質問はよく受けるのですが、残念ながらご存知のようにこちらのIT業界は非常に細かい専門分野に分かれており、私は専門外ことはよく知らないのでなんとも答えようがないのです。私の仕事は情報系で、プログラマーではありません。私は日本でもオーストラリアでもコンサルタントでしたが、ERPも含めコンサルの仕事はたくさんあります。ただどのパッケージがどれだけ求人があるかというのは細かく追ってないのでわかりません。金融業は主要産業の一つなので、経験があれば有利だと思います。seek.comなどで自分の専門分野を追っていれば、求人のトレンドや給与水準はわかります。

日本のIT業界は非常に特殊ですので、海外に出るとまったく違うことばかりで、私は最初それが一番大変でした。過去にもこの話題で記事を書いたので参考にしていただければ幸いです。この話は非常に書きたい分野なのですが、専門的になりすぎると分野が合わない場合はまったくつまらないので、どうやって記事にしようかと思案中です。

一般的にIT技術職は専門技術が高く評価されるし、オーストラリアでは人材が不足しているので、言葉に不自由な私たち日本人には非常に有利な分野だと思います。

プロフィール

divayoshiko

Author:divayoshiko
よりよい生活と仕事環境を求めて、日本の会社を辞めてオーストラリアに移住しました。IT技術者として生活を確立するまでの様子、日々の生活や仕事のこと、現地情報、オーストラリアや日本について感じることなどをつづっています。メルボルン在住。
Twitter @divayoshiko

これまでの歩み
2009年
4月  技術独立ビザで永住権取得
2010年
1月  東京からブリスベンに移住
2月  シドニーに移住
4月  ブリスベンに移住
5-6月 メルボルンに長期出張
2014年
2月  メルボルンに移住

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