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調査捕鯨違法の判決で日本人が知っておくべきこと

国際司法裁判所は、「日本の南極海での調査捕鯨は、科学的な調査とは言えない」との判決を下しました。これはオーストラリアに住む日本人の一人である私にとって歓迎すべきニュースです。オーストラリアに移住してからというもの、毎年1月ごろになると日本の捕鯨船が遠路はるばる南極海までやってきて、オーストラリアの目と鼻の先で捕鯨を繰り広げ、非難を浴びていました。この時期にテレビをつけるといつもビクビクし、’Japan’、 ‘Whaling’ という言葉を聞くたびにドキッとしていたものです。私がオーストラリアに移住してきたのも1月の初めで、毎日のように日本の捕鯨への非難が繰り広げられていました。

日本は商業捕鯨が禁止されてから、調査捕鯨の名のもとに捕鯨をしています。不思議なのは、今回の国際司法裁判所の判決は「日本のやっていることは科学的調査ではない」と言っているだけにもかかわらず、日本の反応は「日本の食文化が失われる」などとトンチンカンなものが多いこと。「日本の真摯な科学的調査の功績が認められなくて残念」という声は聞こえてきません。これはまさに、日本の調査捕鯨が建前にすぎないことを示唆しています。

本当に調査捕鯨なら、調査結果を世界に公表し、国際社会と協力しながら生態系の研究に積極的に貢献し、なぜ鯨を殺さなければ調査ができないのか、なぜその捕獲数が必要なのか、なぜ生態系を壊すことはないのかを明らかにすればいいだけの話で、それならば合法的な調査だと認められる可能性はあります。それができないのは、もともと科学調査などする気はないか、説明能力がないかのどちらかでしょう。調査捕鯨自体は違法ではないのですから。

日本社会では本音と建前の使い分けが一般的なので、このような二枚舌を使うことを何とも思わなくなっているのかもしれません。でもそれが通用するのは日本国内だけ。西洋社会はこのような非論理的なことは理解できないばかりか、このようなごまかしを非常に嫌います。調査捕鯨の正統性を主張するのなら、それを論破できる証拠を挙げて説明しないと認めてはもらえません。そしてもし本当は調査ではなく商業捕鯨目的なら、それは30年以上も前に決められた国際条約に違反しているので、当然許されることではありません。もし商業捕鯨が日本や国際社会にとって有用だと思うのなら、それを主張するのはかまいませんが、本当は食用なのに表向きは調査ということにするというような姑息な手段は国際社会では通用しません。しかもそんなごまかしはとっくにバレていて、だからこそ非難を浴びているのです。日本がこれからもこのような二枚舌を使い続けるならば、日本の国際社会での信用を失って行くでしょう。

これまで日豪間では、捕鯨についての論理的な議論がなされず、感情論に終始して無用な年月ばかりが流れる中で、27年間もの間調査捕鯨という名の捕鯨が行われてきました。オーストラリアの目の前で、オーストラリアが最も嫌う残忍なやり方で動物を殺すことは、オーストラリア人の感情を逆なでします。そしてこのことは日豪間の関係にも影を落としてきました。今回国際司法に照らして客観的な判断がされたことはとてもうれしいです。これを機に日豪関係の溝がなくなることを祈るとともに、もっと早くにこの結論が出ていればよかったと思います。

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テーマ : オーストラリア
ジャンル : 海外情報

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はじめまして。
おっしゃられていることに最もだなと思うこともあるのですが、何か勘違いをされているような点も見受けられますので、コメントしたいと思います。

まず、divayoshikoさんの仰る通り、調査捕鯨の目的、そしてその調査結果の客観的な検証がクジラの生態系の研究となり、調査捕鯨が(他国に文句を言われないで)認められることになるのだと思います。日本捕鯨協会のHPにもいろいろとデータが紹介されています。ただ、素人の私から見てもあんまり説得力のない主張で、今回の国際司法裁判所の出した判決に納得せざるを得ないと思います。

ただ、日本の反応という点では、日本の政府は別に日本の食文化云々ということは言っておらず、漁業に携わる人々が食文化が失われると言っているだけのことで、そこには大きな違いがあります。しかし、その違いを無視し、日本の「建前」と「本音」社会の論理にdivayoshikoさん自身がこの問題をすり替えているように思われます。

いつ、日本が調査捕鯨を建前として商業捕鯨をやっていると、認めたのでしょうか。いつ、そしてどのような場面で日本が日本的建前と本音の論理を諸外国相手に使い、国際社会の信用を落としているのでしょうか。

私には、どの国にだって建前と本音はあると思います。私自身、オーストラリアに住んで何年にもなりますが、この国にだって建前と本音はしっかりあり、日本で生活していたときと同じようにそれらに振り回されることも実際に感じています。建前と本音は悪いことなのでしょうか。私はそうは思いません。

MAさん

コメントありがとうございます。日本の反応と書いたのは、日本の一般大衆やメディアの反応のことです。判決で日本の捕鯨のごく一部である南極海の調査捕鯨がダメと言っているだけで、食用鯨肉の販売については何の見解もされていないのに、世間の反応は日本の食文化だったり鯨肉販売中止だったりと混乱が見られ、日本国内でさえ日本の捕鯨行為に対する見解が統一されていません。また農相が鯨肉は重要な食料資源だと明言していることからも、調査捕鯨は建前だということは明らかですし、誰でも知っていることです。そもそも調査目的なのに鯨肉が市場に流通している理由も不明瞭です。今や鯨肉はごく一部の人しか口にしておらず、人気も落ちています。建前で捕鯨をし国際紛争をしてまで続けていく意義がわかりません。いずれにしても日本の捕鯨は不透明な部分が多すぎるので、これは改善していくべきと思います。今後他地域での捕鯨に日本がどう対処していくのか見守りたいと思います。

はじめまして。
ツイッターからやってきました。

どの局だったか忘れましたが、調査捕鯨禁止のニュースを扱いつつ
出ていたテロップは「どうなる日本の食文化」になっていました。
少なくとも大衆メディアは問題を完全にすり替えていますね。

euiさん

そうなんです。日本の食文化を内輪で語るのはかまわないのですが、この国際紛争と文化は何の関係もないですから。日本文化の他にカンガルーとかシーシェパードとか、問題の本質とは何の関係もないことばかりクローズアップされて、まともな議論が成り立たない状態です。だから国際裁判に持ち込まれて良かったと思いますが、日本は来年また南極海での捕鯨を再開すると早々と発表しました。懲りない人たちです。
プロフィール

divayoshiko

Author:divayoshiko
よりよい生活と仕事環境を求めて、日本の会社を辞めてオーストラリアに移住しました。IT技術者として生活を確立するまでの様子、日々の生活や仕事のこと、現地情報、オーストラリアや日本について感じることなどをつづっています。メルボルン在住。
Twitter @divayoshiko

これまでの歩み
2009年
4月  技術独立ビザで永住権取得
2010年
1月  東京からブリスベンに移住
2月  シドニーに移住
4月  ブリスベンに移住
5-6月 メルボルンに長期出張
2014年
2月  メルボルンに移住

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