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日本の生け花は世界級

草月流生け花の展示会が地元であったので行ってきました。オーストラリア各地やニュージーランドの草月流師範たちの作品の展示会と、世界各地に草月流生け花を広めている川名哲紀氏の実演会です。華道には興味はあったものの、オーストラリアでの展示会には特に期待はしていなかったのですが、どっこいそれはすばらしいものでした。見に来ていた人たちはオーストラリア人の年配女性が圧倒的。展示されている作品についている名前も日本人は少なく、西洋系の女性の名前が圧倒的です。

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これまでもオーストラリアで日本の生け花の展示は何度か見たことがありましたが、オーストラリアで生け花をするのは難しいのではないかと思っていました。特に私の住むクイーンズランド州の花といえば、真赤や真黄、どぎついピンクなど、トロピカルなものが多く、日本の伝統芸術のイメージとは大きく違います。ここでは材料の入手が困難だろうと思っていたのです。でも展示してある草月流の自由度にはびっくり。花は現地のトロピカルフラワーがふんだんに使われ、オーストラリアの花と日本にもある花を一緒に生けている作品もあります。花だけでなく、木の枝、古い木の株、枯れ葉など、自然界にあるものなら何でもありです。それだけではありません。紐、竹、紙など、想像力に任せていろいろな材料が使われているのです。必ずしも床の間に飾るような型にはまったものではなく、道端に生えているような野生の花を利用して気軽に生けているのも特徴です。これだったら、野生の花や木には不自由しない地元でちょっと取ってきて生けることができます。

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実演もすばらしいものでした。現地の木の枝や花、そして会場の植物園に生えている草木が用意されています。まず全体を見てささっと剪定してから、どんどん花瓶に挿していきます。それも観客側から出来あがりが見えるように、花瓶の後ろ側から!絶対に前側には立たず、前から見た姿を想像しながら挿しているんですね。たちまちのうちにいくつもの作品が次から次へと出来あがっていき、観客から歓声が上がりました。

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花だけでなく、木の枝も多用していました。自然が作った枝はやたらに切リ取ってしまうのではなく、なるべくあるがままの枝の流れを利用するのだと説明。観客はひたすら関心した様子。また日本の生け花と西洋の生け花の違いについても説明していました。梅の枝を生けたとき、下に落ちた花弁はそのままにしておくのだと説明します。花弁が落ちるのは自然のなせる技。落ちた花弁や枯れ葉をきれいと思うか汚いと思うかは考え方しだい。「日本の伝統芸術は、自然がなすことは価値あるものとして尊重するのです」と説明すると、観客からは深いため息が漏れていました。私たち日本人からすると当たり前のことでも、西洋のフラワーアレンジメントや西洋庭園に慣れたこちらの人から見ると新鮮なことなんですね。日本の素晴らしい芸術を誇らしく思いました。

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余談ですが、一つ感心したこと。実演者が英語で解説しながら生けているとき、時々英語の名前を知らなかったり、実演に集中したくて英語で話したくないときは、日本語で「これ英語でなんていうの?」「これ英語で言って」と関係者に助けを求めていました。これ、簡単なようで日本人はなかなかできないのです。英語ネイティブの観客に向かって英語でしゃべろうとすると、どうしてもちゃんと英語で話さなくちゃ、と思ってしまいがち。バイリンガルがその場にいたとしても、「これ英語で言って」と言って日本語で話す人はなかなかいない。恥ずかしいと思ってしまうんですね。でも彼にとってそんなことは恥ずかしいことではない。なぜなら、彼にとって観客に見せるものはあくまでも華道であり、自分が絶対的に自信をもっているのも華道。だから英語と日本語のちゃんぽんで話したって別に恥ずかしくもなんともない。足りないところは他人に助けを求めればいいのです。観客にしたって、彼の生け花を見に来てるんだからそんなことは大したことではありません。英語が重要なのではなく、あくまでも伝える内容が大切なのだと教えられた気がしました。

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花瓶や剣山などの華道製品の即売会も行われ、実演の後だけにみんな競うように買っていました。日本の華道、海外でもなかなかすごいものです。特に草月流は型にとらわれないので、海外でファンが多いそうです。

すばらしい展示会と実演会でしたが、残念だったのはほとんど宣伝がされていなかったこと。私も友人がたまたま教えてくれなかったら知らないままでした。多くの人が触れるメディアに載せられていたら、もっと多くの客層と人数が来ていただろうにと残念に思いました。すばらしい物をもっているのに、伝えるのがヘタなばかりに価値がなかなか世界に知られないという、日本の典型を見た思いでした。

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divayoshiko

Author:divayoshiko
よりよい生活と仕事環境を求めて、日本の会社を辞めてオーストラリアに移住しました。IT技術者として生活を確立するまでの様子、日々の生活や仕事のこと、現地情報、オーストラリアや日本について感じることなどをつづっています。メルボルン在住。
Twitter @divayoshiko

これまでの歩み
2009年
4月  技術独立ビザで永住権取得
2010年
1月  東京からブリスベンに移住
2月  シドニーに移住
4月  ブリスベンに移住
5-6月 メルボルンに長期出張
2014年
2月  メルボルンに移住

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