長い間塩漬けになっていたアメリカの銀行の預金を引き揚げることにしました。この大手銀行は最近経営状態が芳しくないので、破たんでもされたら大変。それにアメリカの金利は一昔前はすごくよかったのですが、今は日本と同じく普通預金が0.01%程度と雀の涙です。オーストラリアの金利もさすがに最近は下がりつつありますが、まだ3-5%ぐらいです。
そこで銀行のウェブサイトにアクセスしたのですが、昔は気軽にオンラインで送金できていたものができなくなっていました。最近はテロ防止のため、海外送金はハードルが高くなっているようです。コールセンターでたずねると、オペレータはどの人も海外からの送金手続きのやり方を知らないのです。いや、自分から知らないとは言わないんですが、調べるのが面倒なのか適当なことを説明され、言われた通りにしてもできません。仕方がなくまた電話すると、出てくるオペレータによってみんな言うことが違うのです。時差の関係で不便な時間に電話し、悪名高いアメリカの自動電話応答機で延々と枝分かれした質問に答え、国際通話にも関わらず何十分も待たされてもイライラしているところへやっとつながれば、出てくるのは顧客対応の基本のキも知らないようなヤル気なさそうなアンちゃんばかり。その挙句間違ったことを説明されたり、依頼したことをやっていなかったり、やっても間違っていることが何度も続くんですから、怒りは頂点に達します。

そしてようやくわかったことは、送金先の登録をするには、オンライン手続きの場合はアメリカに住所があるか、なければアメリカの支店に出向かなければいけないということでした。これにはあせりました。送金のためにわざわざアメリカまで飛ぶことなんてできません。そこでアメリカに住む知人に住所を貸してもらうことにしました。そしてオンラインで住所変更手続きをするわけですが、これもすったもんだの末やっと変更。そしていざ受取人口座の登録をしようとすると、認証のためにキャッシュカードの情報を求められるんですが、手持ちのカードは期限切れ。そこでオーストラリアに新しいカードを送ってもらおうとしたんですが、不正を防ぐためでしょう、変更したばかりの登録住所はしばらくの間変更できないのです

。そこで仕方がなくアメリカの知人の住所に送ってもらい、転送してもらうことにしました。そしてようやく受取人口座の登録が完了。
つぎはいよいよ送金依頼です。ところが、またもや先に進めないのでまた電話すると、依頼のレターを郵送しろとかアメリカの支店に出向けとか、なんだかんだと毎回違うことを言われ、挙句の果てにはうちではできないから外部の送金代行業者を使えだと

。それでもあきらめずに調べていくうちにわかったのは、オンラインの送金手続きには本人確認のため、携帯電話にSMS(テキストメッセージ)を入れる必要があるとのことでした。この認証方法はオーストラリアの銀行でも行われていますが、私はアメリカ国外に住んでいるため使えません。
次の手段はトークン(ワンタイムパスワード自動生成機)を入手すること。これは銀行から購入しなければいけないのですが、これなら海外にいてもできます。登録住所にしか送ってくれないので、またアメリカの知人のお世話になりました。ここでもまた手違いがあって送付されず、三回目のオンライン購入手続きの末ようやく知人の元に。このトークン、一定の時間間隔で次々とパスワードを生成し、一定時間内に銀行のウェブサイトにパスワードを入力することによって認証を行います。昔からあるトークンはぽてっとした形ですが、今のトークンは大きさも厚みも銀行のキャッシュカードとまったく同じ。この中にリチウム電池が入ってるんですからすごいです。技術の進歩に感動しました。
よくあるのはこんな感じの丸っこい機器

スマートなカード型(これは銀行の認証用カードではありません)

ようやくトークンを使って送金手続きを完了した後も、確認のために銀行から電話が入るなど、二重三重の関門を経てようやく入金を確認したときは感無量でした

。この一件で、待たされて途中で切ったのを含め、銀行には優に百回は電話してますからね。協力してもらったアメリカの知人がいなかったらできないことでした。
不満タラタラのアメリカの銀行でしたが、日本よりマシな所もありました。まず、日本の銀行は海外の住所は受け付けてくれません。これは海外に住む人なんかめずらしくない今の時代にはとんでもない時代遅れと言わざるをえません。海外に住むというと口座を閉めてくださいと言われるんですから。海外に住むお客は失ってもいいんですね。アメリカのこの銀行では、住所を証明するものもなしにインターネットや電話で国をまたいだ住所変更ができました。それと問い合わせにオンラインチャットが使えたこと。これは海外に住む者にとっては電話代を浮かせられるという意味では大変助かりました。電話だと待たされることが多いですが、チャットの場合はリクエストするとまったく待たずにすぐに会話を始めることができました。一次受付の機能しかないので、高度な手続きになるとやはり電話してくださいということになるのですが、簡単な問い合わせには重宝しました。
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