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放射能被害に関するカルディコット博士の提言

原発事故による放射能に関する情報が日本と国外で大きくずれている話は、過去記事「日本人が知らないフクシマ」、「現代の神風特攻隊」、「東北大地震のメディア対応」でも何度も書きました。オーストラリアの外務省は今でも原発から60km以内の地域への旅行は厳重注意と警告しているぐらいなのに、実際にはいまだにこの地域に子供を含む多くの人が住んでいるのです。このような人類にとって共通の大きな課題について、国民の情報と意識がこれほどまで国内と国外とで違っていると、世界が協力して解決にあたることが難しくなるのではと感じています。政府が国民に対して情報を隠すことはチェルノブイリの事故の時もあったようだし、そもそも真実を国民に伝えることは政府にとってメリットはないのですから、ある程度起こりえると覚悟しないといけないかもしれません。

国民に真実が伝わらない原因は、政府が行っている情報操作の意向をマスコミが忠実に守っており、マスコミが国の監視機関の役割を果たしていないことです。特に新聞やテレビといった旧メディアは、もはや国民に役に立つ情報を提供するメディアではありません。真実を伝えようと奮闘しているフリーランスのジャーナリストたちもいますが、情報は政府のご用達である記者クラブが独占するしくみになっているため、活動に制限があります。また真実を知る専門家も非難を恐れて発言せず、国民も他人を気にして何も言わず、国全体が口をつぐんだ状態になっているのです。

今はインターネットで世界中の情報がいくらでも取れる時代。ところが多くの日本人はその恩恵を受けていません。なぜなら日本語しか操れない人が多いからです。日本語で情報を取り続ける限り、フィルターをかけられた国内向けの情報しか集まりません。実際世界共通語である英語で情報が取れれば、多くの国からの情報にリアルタイムでアクセスできるので、情報の量と質は比べ物にならず、世界がまったく違って見えます。

幸い今はソーシャルメディアが発達しているので、多くの人はこちらの方を活用していると思います。ただ素人が発信していることも多いため情報の質は玉石混合なので、それを理解したうえでうまく使う必要があります。旧メディアから得られる情報はソーシャルメディアから得られる情報と全く違うため、どのメディアにアクセスするかで同じ事象に対する理解がまるで違ってきます。そして国を動かしているのは、旧メディアしかアクセスしない年齢層の人達です。ソーシャルメディアへのアクセス層の若者は選挙に行かないので、国の運営に影響力を行使することができません。

こうした中、原子力に関する造詣が深いオーストラリアの医師、ヘレン・マリー・カルディコット医学博士が現在日本に行って講演をされ、少なくとも危機意識のある一部の国民に情報を伝えてくれているのは大変ありがたいことです。この講演は放射能汚染による身体的症状を収集している独立団体、FRCSR・みんなのカルテが招へいして行っているもので、日本各地で一般向けと医師・専門家向けの講演が予定されています。彼女の提言はこの文書に集約されています。そしてこれは震災直後のものですが、彼女の会見です(英語)。
Fukushima Nuclear Disaster

彼女は日本の政治家の無知ぶりと無策ぶりを批判し、放出された放射能物質はチェルノブイリよりずっと多いのに、対策はロシア以下だと述べています。そして国内のすべての土壌の汚染状況を、セシウム以外の多くの有害物質を含めをきちんと検査すること、放射性瓦礫を焼却しないこと、一度体内に入った放射性物質を除去する方法はないこと、汚染された食べ物や飲料水を食さないこと、高線量放射能汚染区域にまだ居住しているすべての人々を直ちに放射能汚染がない場所へ避難させること、被曝した人々の検査を徹底すること、医師たちがもっと勉強して医学的重大さを理解することなどを提言しています。どれもこれもごく当たり前のことですが、実際にはできていないのが現状です。また放射能の影響力が大人の20倍の子供と、妊婦や妊娠が可能な女性は、関東地域からも避難することを強く推奨しています。とにかく検査している暇があったらすぐに逃げること。それぐらい事態は深刻なのです。そして南半球は北半球と大気の周り方が違い交わることはないため、できれば南半球への移住がお勧めだそうです。

また彼女はチェ ルノブイリでの甲状腺癌は、事故後3-4年で出現し始めたのに、福島では事故後わずか12ヶ月で、福島県内の3万8千人の18歳以下の子供の内36%に甲状腺のう胞か結節が見つかっていることを指摘してます。この数値は今半数以上に上がっていてすでに癌患者も出ていますが、2カ月前に私が日本に帰国して何人かの友人と話したときは、知らない人が多くてびっくりしました。また、ブログ記事「日本人が知らないフクシマ」にもビデオニュースを張り付けた、チェルノブイリの10倍もの放射能が放出される可能性がある福島第一原発4号機の使用済み燃料プールについて、IAEA(国際原子力機関)と米国のNRC(原子力規制委員会)、その他各国の原子力専門家の国際的アドバイスを受け入れるべきだと言っています。

放射能対策に関する答えは一つではありません。人類は全く同じケースを経験したことがないので、将来どんな影響を受けるのか正確なことは誰も予知できません。どんな食べ物を口にするか、避難するかしないかもそれぞれの事情によって判断は違うし、考え方もいろいろ。だからこそまず真実を知り、いろいろな専門家の意見を聞いたうえで、自分の事情に合った対処のしかたを国民一人一人が判断をするべきで、その判断は尊重されるべきです。しかし国民が偏った情報しか持たないまま個人の対処方法や国の施策が決まっていくのは、決してあってはなりません。

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Author:divayoshiko
よりよい生活と仕事環境を求めて、日本の会社を辞めてオーストラリアに移住しました。IT技術者として生活を確立するまでの様子、日々の生活や仕事のこと、現地情報、オーストラリアや日本について感じることなどをつづっています。メルボルン在住。
Twitter @divayoshiko

これまでの歩み
2009年
4月  技術独立ビザで永住権取得
2010年
1月  東京からブリスベンに移住
2月  シドニーに移住
4月  ブリスベンに移住
5-6月 メルボルンに長期出張
2014年
2月  メルボルンに移住

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