スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

至れりつくせり顧客サービス

日本に行って感心するのは、なんといってもサービス業のきめ細かなサービスです。日本には「お客様は神様です」という言葉がありますが、なるほど日本で顧客という立場にいると、自分がサービス提供者より上の立場にいると感じさせられます。高級店でもない普通の店に行っても、アルバイトの店員でさえも、顧客に対してこれほど丁寧なサービスする国はおそらく他にないのではないでしょうか。

ショッピングに行くと、どんなに些細な質問をしても店員が丁寧に答えてくれます。商品を手提げビニール袋に入れてくれたときは、渡すときに手提げ部分をわざわざクルクル丸めて持ちやすいようにしてくれます。デパートやショッピングセンターで商品を買うとりっぱな手提げ付き紙袋に入れてくれて、さらに上の部分が開かないようにわざわざテープで留めてくれます。家に帰って袋を開けようとすると、テープの端が少し折り返してあって、爪でカリカリ引っ掻かなくてもすぐにテープをはがせるようになっているのです。天気の悪い日にショッピングセンターへ行ったときは、商品を入れた紙袋が濡れないように、わざわざ上からビニールシートを掛けてくれました。外に出てみると雨は降っていません。でも窓がないビル内で働く人はそんなことはわかりません。朝の天気予報を見てビニールシートサービスをするかどうか決めているのかもしれません。こんなサービスはやめても大したことはないと思うんですが、やめるとお客が来なくなるんでしょうか?小売業がコスト削減の大きなプレッシャーを受けている今でもなお、包装に多大なコストをかけること、そしてエネルギー問題がクローズアップされている今でも、いずれはゴミになる過剰な包装が多くの人に受け入れられていることを不思議に思いました。

服を買いに行くと、一人の店員が私に張り付いて、最初から最後までつきっきりで面倒を見てくれました。いろんな服やサイズを試着すると、着ているところを毎回見てくれます。こんな服を探していると言うと見つくろって持ってきてくれたり、この服はどんな服に合わせたらいいかというアドバイスをくれたり、まるで女王様のように扱ってくれました。自分で服を探して勝手に試着して自分で決めることに慣れてしまった今、高級な服を買っているわけでもなく、上得意客でもない海外に住む一元さんの私のためだけに、こんなに多くの時間を割いてくれていいんだろうか?私にかかった人件費はいったいどこから出ているのだろう?などと考えてしまいました。

日本滞在中に郵便局から書留郵便が届いたんですが、外出中だったので不在通知が入っていました。夕方に電話してみると、夜7時までに再配達希望を出せば、その日の9時までに再配達してくれるというのです。私も日本に住んでいるときは当たり前だと思っていたんですが、考えてみたらこれはすごいことです。夜7時になってようやくその日の配達予定が決まり、そこから配達人の割り当てや配達ルートの計画をするんですから。つまり終了時間が迫ってきても、不測の事態に臨機応変に対応しなければならないということ。7時に電話が来て「その日の配達はできません」と言う選択肢がないということは、人が足らなかろうが配達計画が詰まっていようが、どんなに無理してでもやらなくちゃいけないんですから。結局書留はその日の夜9時までに届けてもらい、そのすばやさには感動しました。でもこれを実現するために現場の人がどれだけの苦労をしているんだろう?と考えると、後ろめたい気持ちになりました。だってその郵便物はその日のうちに必要というわけではなかったので、わざわざ夜の時間に働いてもらう必要はなかったし、特急サービスのために追加費用を払ったわけでもなかったんですから。無理をいう客もそうでない客も同じように扱うのなら客としては当然無理を言うし、無理を言っていることすら気付きません。

日本のサービス業の独特なところは、リターン(利益)とは関係なくコストをかけることだと思います。コストとは主に労働力のことです。「このお客はお金をたくさん落としてくれる、またはその見込みがあるから特別サービスをする」のではなく、どんな客に対しても一様のサービスをするのです。そして高級店・高級サービスのようにそのコストを顧客に上乗せできない状況では、しわ寄せは労働者に来ます。その分ちゃんと余分な賃金を払ってもらっていて、かつそのサービスを提供するためにかかる長時間労働に労働者が納得していればいいのですが、果たしてそうなのでしょうか?特別な客でなくても一定レベルのサービスを受けることに慣れてしまった日本人客を相手に、今までやっていたサービスをやめたり質を落とすのは大変なこと。顧客が望むならそれを提供者が提供するのは当然のことですから。誰でも質のいいサービスを受けられるのはすばらしいことです。でもそのサービスを受ける日本の消費者は、同時に労働者でもあるのです。


関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 海外にて日本を考える
ジャンル : 海外情報

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

始めまして!

始めまして。

今年の3月に妻と猫2匹を連れパースに引っ越してきましたpacknと申します。現在就職活動中(組込み系のプログラマ)なのですが、最近いろいろあり、気分転換にウェブを徘徊していたところ偶然このページに出会いました。同じIT系の道を進まれて来たdivayoshikoさんの情報に出会え、とても嬉しく思っております。

永住権を持っていないため永住ビザスポンサー可能なポジションを探しているのですが、面接に漕ぎ着ける事ができる物のビザの話を出した途端にNGだったり、時には結果の連絡も頂けず無視されたりで落ち込んでいる所でした 笑。日本に来る前は「自分なら出来る!」と意気込んでいたんですが、最近は久々の挫折を味わっております・・・。

移住の動機ですが、家族と出来る限り一緒にいる時間を取ることが可能な生活をしたかったからです。日本にいる時は夜中に帰宅することはざらで、とても理想とする生活は出来ないなと思い実行に移しました。

このブログにある様に挫折を味わいながら改善して行き、何とか未来に繋げて行こうと思います。

それでは失礼致します。

packnさん

こんにちは。IT系の日本人に会うことがなかなかないので、お便りいただいてうれしいです。パースは行ったことがないのですが、きれいな所でITの仕事も多いしいいですね。永住権なしの就職活動という意味ではあまりお役に立てないのですが、永住ビザサポートの話をどこで持ち出すのか、あるいは最後にビジネスビザの話だけ持ち出すのか、判断が難しそうですね。

私もブログには全部書いていませんが、最初の一年ぐらいは挫折の連続でして(今でも大変ですが)、まあ何事もすんなり行く方がおかしいよね、と後から思いました。今から思えば、あの挫折がなかったら今の私はないと思います。英語によるコミュニケーションのハードルと、実際に仕事を始めれば実感されると思いますが、日本のソフトウェア業は世界に大きく後れを取っていることもあり、日本で仕事をしてきた者には苦労が多いです。でも家族と一緒の時間を増やすという意味では、こっちに来て100%正解だと思います。私も毎日夜遅くまで、週末も仕事をする日々からガラリと生活が変わり、ようやく人間らしい生活をしています。

何かお役に立てそうなことがあればメールフォームでご連絡ください。就職活動うまく行きますようお祈りしています。

早速のお返事ありがとう御座います。

Webや業務系アプリケーションの仕事は多いのですが、どうも製造業が少ない様で組込みになると、とたんに数が少なくなりますね・・・。その上永住権なしとなると、かなり厳しい状況です。
元々パースを選んだ理由が政府より過疎地指定されており、ビザスポンサーシップを出し易い地域だからなのですが、どうもそのスキームもあまり社会に浸透していないらしく、スポンサーと聞いただけでアレルギー反応の様に拒否されてしまいます 笑。面接の際に説明しようとしているのですが、単純に説明できる事でもないため難しい状況です・・・。

今後はなんとか「スポンサーを出すほど価値のある人材」を打ち出せる様に試行錯誤しようかなと思っています。

行き詰れば相談をお願いするかもしれませんが、その時はどうぞよろしくお願い致します。

packnさん

パースもRSMSビザの対象地域でしたか。職種によっては狙い目かも。私は業務系なんですが、パースは仕事たくさんあります。一瞬引っ越そうかと思ったぐらいで・・・。たしかに製造業は今人を絞る傾向ですね。ビザの件、オファーもらってから説明するんじゃだめなんでしょうかね?(笑)事情を知らずにいい加減なこと行ってたらスミマセン。面接は半分ハッタリの世界(?)でもあるので、回数を積めばきっとコツがつかめてくると思います。がんばってください。

鍵コメさま

ブリスベンへようこそ!無料Wi-Fiは図書館の他、公園、電車、マック、スタバなどで使えますよ。滞在楽しんでくださいね!

プロフィール

divayoshiko

Author:divayoshiko
よりよい生活と仕事環境を求めて、日本の会社を辞めてオーストラリアに移住しました。IT技術者として生活を確立するまでの様子、日々の生活や仕事のこと、現地情報、オーストラリアや日本について感じることなどをつづっています。メルボルン在住。
Twitter @divayoshiko

これまでの歩み
2009年
4月  技術独立ビザで永住権取得
2010年
1月  東京からブリスベンに移住
2月  シドニーに移住
4月  ブリスベンに移住
5-6月 メルボルンに長期出張
2014年
2月  メルボルンに移住

最新記事
最近のコメント
伝言板
カテゴリ検索
日付順検索
プルダウン 降順 昇順 年別

09月 | 2017年10月 | 11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -


キーワード検索
トリップアドバイザー掲載 タスマニア記事
タスマニアの旅行情報
トリップアドバイザー掲載 ニュージーランド記事
クイーンズタウン
個人的なコメントや質問はこちらからどうぞ

名前:
メール:
件名:
本文:

関連ブログ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。