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パラリンピックとダイバーシティ

ただいまパラリンピックの真っ最中。オーストラリアでは、オリンピックの時と同じように毎日早朝はテレビで生中継、夜のプライムタイムはその日のハイライトをやっています。そして過去の放送はすべてネットで見ることができます。メディアでもメジャーなトピックの一つなっているし、活躍した選手たちは最大限に称賛されています。

パラリンピック開会式を生中継で見るのは生まれて初めてでした。日本の選手もたくさんいて、皆うれしそうにはしゃぎながら行進していました。試合に日本の選手が出てくると、もちろん張り切って応援しています。盛りあがりと感動はオリンピックに負けません。障害あるなしは関係なく、日頃なかなか見る機会のない種類のスポーツ観戦として純粋にとてもおもしろくて、思わず引き込まれてしまいます。オーストラリアは人口2000万人の小さな国ながら、今のところメダル数は世界5位で頑張っています。中国は金メダルの数でもトータルメダル数でも2位のイギリスを大きく引き離し、今のところ圧倒的な首位。オリンピックでもすごかったけど、パラリンピックはそれ以上です。

日本に住んでいるときは、パラリンピックのことはほとんど知りませんでした。日本ではオリンピックが終わるとそれでおしまいで、後はあまり話題にはなりません。生中継もないしメディアの扱いは小さく、ゲームを見た記憶はあまりありません。日本にいると海外の情報がほとんど入ってこないので、海外事情に疎かった私はこれまでの積み重ねがない分、オーストラリアに来たとたん洪水のように入って来る海外情報のキャッチアップに大変です。パラリンピックも日本に情報が入って来ないだけで、日本に住んでいたから知らなかっただけなんだと、いつものように愕然としたのでした。

パラリンピックの報道を見ていて思うのは、障害者を見る目が自然で明るいこと。日本では「特別な人達」「気の毒な人達」「障害があるのに頑張っていてすごい」というふうになりがちですが、そういう感覚はまったくありません。たまたま他の人と比べると身体の機能が違っているだけで、みんな同じ人間なのです。もちろん選手たちはものすごい努力をしているのでしょうが、オリンピックの選手だってそれは同じ。みんな自分の能力の範囲内で頑張っているだけなのです。両足義足のランナー、伴走者と一緒に走る視覚障害のランナー、義足での幅跳び、車いすの卓球、水泳、セーリング、ボート、乗馬・・・。人には不可能なことなどないんだと思い知らされます。

オリンピックもパラリンピックも同等に扱うオーストラリアを見ていると、日本での扱いの差のつけ方は極端すぎるのではないかと思います。健常者の応援だけを大々的にするのは明らかな差別です。最近はわざわざ「障がい者」と書いたり、極端に障害関連の言葉を避けたりする傾向がありますが、どれも障害者を特別扱いしていることの裏返しのように思えます。

オーストラリアでは車いすの人が普通に街にいたり電車やバスに乗っています。職場でもお腹の大きい女性、子育て中の女性や年配の女性が普通に仕事をしています。ベビーカーを押した人は、バスや電車で最優先で周囲の人から場所を譲られています。そして人口の多くを占める多種多様な民族。ダイバーシティが当たり前のこの国では、パラリンピックをオリンピックと同様に扱うことなど当たり前すぎることなのでしょう。こんな社会に暮らしている障害者は、きっと日本の障害者と全然違う人生を経験をしているのではないかと想像します。

男女、年齢、人種、身体機能などで人をグループ化して同じ特性をもった人どうしで固まったり、自分とは違うグループに属する人を避けたり、マイノリティを見ないふりをするのは簡単です。でも世界は色々な人がいて成り立っています。一部の人たちから目をそらすことは、世界を見誤ることに繋がります。違うバックグラウンドを持つ人たちと同じ空間を共有し、共に生活しようと思えば摩擦や軋轢が避けられないだけでなく、社会的コストも余計にかかります。でもそれを乗り越えてこそ次のステップがあるのではないでしょうか。日本はそろそろ今まで求めていたのとは違う種類の豊かさを推し進める時期なのではないか、とパラリンピックを見ていてふと思いました。

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divayoshiko

Author:divayoshiko
よりよい生活と仕事環境を求めて、日本の会社を辞めてオーストラリアに移住しました。IT技術者として生活を確立するまでの様子、日々の生活や仕事のこと、現地情報、オーストラリアや日本について感じることなどをつづっています。メルボルン在住。
Twitter @divayoshiko

これまでの歩み
2009年
4月  技術独立ビザで永住権取得
2010年
1月  東京からブリスベンに移住
2月  シドニーに移住
4月  ブリスベンに移住
5-6月 メルボルンに長期出張
2014年
2月  メルボルンに移住

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