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どうして日本からの移住者が少ないのか

労働人口の三分の一が海外生まれのオーストラリアでは世界中から移民が集まっていて、英語を母国語としない移民も三分の二を占めます。職場の私のチームも、出身国はオーストラリアの他、インド、スリランカ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、中国、日本、ロシアと、国際色豊か。今までで一番長い居住国が出身国やオーストラリアでない人もめずらしくありません。ところが今まで多くの組織で働いてきた中で、日本人に職場で会ったことは一度もないのです。企業の駐在員はある程度いるようですが、自分の意思で働きに来ている人はとても少ない気がします。日本人留学生や移住者は一昔前はたくさんいたようですが、最近はめっきり減りました。

私の住むブリスベンにはもともと日本人は少なく、シドニーとかアジア諸国に行けばもっとたくさんいるのでしょうけど、それにしても他の国からの移民の数と比べるとその差は歴然。日本人以外の主要な国の出身者とはほとんど職場で会っているのに、なぜ日本人には会わないんだろう?私の少ない経験からすべてを判断するつもりはありませんが、国の経済規模や人口、地理的条件から考えても、バランスが取れているとは言いづらく、なぜ日本人にだけがこんなに少ないんだろう?と不思議に思います。そういえばアメリカ人の移住者も少なくて、今まで三人しか会ったことがありません。これはアメリカは日本とよく似ていて、自国のマーケット規模がある程度大きいので外の世界を見る必要がなく、内向き志向が強いことがあると思います。

移住する理由は生活環境、気候、キャリア、国情など、いろいろあるでしょう。必ずしもキャリアアップとか広い世界を経験したいからなどという前向きな理由ばかりではありません。イギリスやギリシャ、イタリアのように経済状況が悪く仕事を見つけるのが大変だからという人もいるし、大地震が来る恐れがあるからというニュージーランドからの移民もいました。そういえば節税対策のため、アメリカ国籍を捨ててシンガポールに移住したフェイスブックの共同設立者もいたっけ。今自分が住んでいる国には安心して住めなかったり、不利益があるという理由で、一時的または永久的に住む国を変える人は普通にいるのです。

さて、日本ですが、経済発展をしていて食べ物がおいしく、品質のよい製品があふれ、社会インフラも整い、安全な国であることは間違いありません。ただ近年では急激な高齢化、とてつもない規模の累積債務、年金破綻、原発事故による土壌や食べ物の放射能汚染、大地震による都市崩壊の可能性など、将来は安心して暮らせなくなる要素は山ほどあります。政治家と経営者があまりにもお粗末。国を引っ張る人材が皆老人で、一昔前の発想から抜け出せないので革新や成長がない。税金や人件費の高さや電力供給の不安による企業の海外移転。既得権者が利益を謳歌し、若者は過去の負担の引き受け人。劣悪な労働環境。社会全体を覆う閉塞感・・・。移住を考えてもおかしくない理由は十分すぎるほどあります。これがほかの国だったらとっくにもっと多くの人が移住してるんじゃないかと思います。働き者の日本人への信頼度は高く、教育レベルも高く、誰もがパスポートで自由に海外旅行ができるほど国としての信頼度はまだまだ高いんですから。

これはやはり日本人の視野の問題で、生活の場を海外へ移すという発想がそもそもない人が多いのだと思います。日本は海外の情報が極端に少ないのもあります。平和ボケもあってわざわざ海外へ行く動機がないのかもしれません。原発事故以来移住を考える人も増えているようですが、動機はあっても言語の問題は大きいと思います。学校でコミュニケーションのための英語を教えないんですから、小さいころから学校で教育を受けている海外の人にかないっこないのです(私も含め)。また海外で被雇用者になるとすると、日本の特殊な学歴事情や終身雇用の慣行のもとでは、他に転用できるスキルがつきにくいという不利もあります。それに加えて、日本人の会社や国など、自分が所属するものへの依存体質が足かせになっているんじゃないでしょうか。まわりと同調することが大切な日本の社会にいるとなんとなく回りに流されてしまい、自分が人生の主役であるということを忘れそうになります。「どこに住もうが自分は自分」「苦労しても自分の道は自分で切り開く」という考えを持った人は海外の人に比べて少ないように思います。海外移住する=国を捨てる=非国民のようなムラ社会丸出しな考え方をする人もいます。

住み慣れた祖国を離れて他言語で生活するのは決して楽なことばかりではないし、誰もがいろんな条件をクリア出来るわけではありません。必ずしもいい結果を生むわけではないしいいことずくめでもないので、誰にでも勧めようとは思いません。でもこれほど多くのまわりの人達が人生のときどきで住む国を変えたり、国をまたいで自分のやりたいことを実現したり、将来のリスクを回避しながら自分の人生を思ったように生きているのを目の当たりに見ていると、どうして日本人だけが自分の国に引っ込んでいて出て来ないんだろう?と素朴な疑問を感じてしまうのです。人によって生き方はそれぞれ。今住んでいる所が必ずしも自分にとって最適な場所とはいえないのですから。忙しい日々の中での束縛や狭い世間の常識、他人が敷いたレールからちょっと離れてあたりを見回してみると、今まで考えていなかった可能性が見つかるかもしれません。自分で敷くレールの上を走ることこそ、生きてるってことなんじゃないでしょうか。

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テーマ : 海外にて日本を考える
ジャンル : 海外情報

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お久しぶりです、毎回楽しく拝見してます。
前回のテーマも大変参考になりましたよ。
自分のキャリアと会社の利益になる仕事が異なる場合、会社のために!という流れが強くて、周りに同調せず自分のスキルや資格取得を是とできないのが最近の悩みです。具体的に言うと、ユーザー同行など営業的要素の強い話ばかりで、技術的な検証とか資格試験や英語勉強にに充てる時間が取れないのです。。。

日本村を出るため目下英語力を上げるのに時間かかっていますが、早くブリスベンに行きたいです♪

tottiriさん

しばらくぶりですねー、お元気でしたか?私も日本にいるときは不本意な仕事や雑用が多くて、自分の職種本来の仕事や、やりたいことにかける時間をひねり出すのが大変でした。今では自分のやりたいことしかやってませんし、他人からあれやれこれやれと言われてやることもなくなりました。
最近技術移民のハードルが高くなっていて、英語でポイントを稼がなくてはならないので大変ですね。でもどっちにしてもこっちで英語で苦労しますから、日本で英語を勉強しておくに越したことはないと思います。明けない夜はない!待ってますよー!

同感です。

初めてコメントを差し上げます。興味深く読まさせていただきました。

私もdivayoshikoさんと同じ感想を持っています。これまで、ニュージーランドやオーストラリアに住んできましたが、日本からの留学生やワーホリの若者には出会いますが、移住した人にはあまり出会ったことがありません。

また永住権を取得した人も、ある程度経済的に成功したり、子供が現地の大学を卒業したりすると、それを機会に日本に帰る人も多いと聞きました。つまり、オーストラリアは「骨をうずめる第二の故国」ではなく、腰掛け的に住む場所という意識が日本人にはあるのかもしれません。

その理由が何かは、一概に言えないかも知れませんが、一つは、低下傾向にあるとは言え、日本の経済的豊かさではないかと思えるのです。divayoshikoさんが指摘されているように、日本は今とても多くの問題を抱えています。しかし、それでも移住しなくても何とかやっていけるのではないでしょうか。それに対して、発展途上国や日々戦火におびえる国の人にとっては、移住しか生きる道がないのかもしれません。

もう一つの理由は、やはり言葉の壁です。私もこれを日々の生活で感じます。私は、永住権を取ろうと思えば、取れる状況にあるのですが、英語力のなさを感じて、躊躇してしまいます。ジャパニーズレストランなど、英語をあまり使わなくてもすむ職場にはかなり日本人がいますが、現地法人で、英語を使って仕事しなければならない職場には、あまり日本人はいないのでは、と思います。

日本人の精神的なひ弱さも他の原因かもしれません。同じアジア人でも、中国人・韓国人はたくましいです。中学生の頃から、故国を離れ、親元からも離れ、こちらの学校に通っているような子供がかなりいるようです。日本人の親で、子供を単身で外国に出す人は滅多にいないのではないかと思います。

ちょっと長くなりました。また興味深い記事をお願いします。

Takaさん

いろいろと興味深いコメントを書いていただいてありがとうございます。なるほどー、日本人は日本語を使う仕事につく人が多いからなんですね。でも今ジャパレスなんかも韓国人や中国人ばかりだし、在留日本人が減っているので、仕事を日本語に限定すると選択の幅がとても狭くなりますね。

腰かけということですが、私も最初からこの国に骨をうずめようなんて思っていません。ある程度そこに住んでみないとずっと住みたいかどうかなんてわかりませんから。人生のある時期はどこかの国に住んで、何年かしたら祖国に戻ったり、また違う国に行ったりというのは、日本人以外でも多くの人がしていますね。その時々の自分のニーズや国情に合わせて住む場所を変えるというのも、一つの賢い生き方ではないでしょうか。

これまでは移住と言うと発展途上国で生活に困った人がするというイメージもありましたが、Occupy Wall Streetが世界の先進国に広がったように、これからは先進国の中流層が受難の時代になるのではないでしょうか。実際オーストラリアにも先進国からたくさん移民が来ていますし、これからはギリシャ、イタリア、スペインあたりからももっと来るでしょう。中国人や韓国人は本当にたくましいですよね。彼らのたくましさが国力にそのまま表れているように思います。まあ日本はまだまだ幸せなのかもしれませんし、自分たちの身に何が起こっているのか気付いていないだけかもしれません。

壁の高さ

ほんと、おっしゃる通りだと思います。

今まで、国際化=英語という風潮はおかしい!と思っていましたが、シドニーで働いてみて、英語の壁の高さをつくづく思い知らされました。
その上、日本人は独特な商慣習に、キャリア観の違い、自己主張が苦手で、本当の意味でのダイバーシティとの付き合い方が肌感覚で分からない、などなど、超えなきゃいけない壁が多すぎますね。
しかも、不況のせいか、さらに内向的になっていて、若い人も、英語を使って国際的な(?)仕事をやりたいけど、日本からは絶対出たくない、という方が多いと聞きます。

自分のやりたいことのために国外に出ることも普通の選択肢になる時代が早くくるといいですね。(そうなったら日本は良くなっていて出る必要がなくなるかもしれませんが)

yuiさん

まったくその通りで、言語、商慣習、働き方、キャリアの積み方、コミュニケーションの方法、異文化の経験・・・国が違えば違うのはあたりまえなんですけど、日本の場合日本でしか通用しないことが多すぎるので、どこの国のコミュニティに入るにしても、とにかく外国というだけですごく壁が高いと思うんですね。これは単に移民が少ないということの他に、グローバル化された世界で日本企業が力を発揮できていないこと、日本の存在感がどんどん薄くなっていることにも関係しているんじゃないかと思います。

アハハ、確かにもっと海外との風通しが良くなれば外に出る必要がなくなるかもしれませんが・・・。でもやっぱり自分の好きな(相性の合う)国(土地)に住めるということは、すごく幸せなことだと思います。

オーストラリアって移民を拒否してませんでしたっけ?
日本人の移民が少ないのは意欲がないからではなく金銭的余裕がないからだと思います。それから政府がサポートしてくれない点。
何でも個人の意識の問題に矮小化するのはよくないと思いますよ。

ななみさん

オーストラリアは移民で成り立っている国で、労働人口の三分の一は海外生まれです。
多くの日本人は移住にお金がかかると誤解していますが、投資家や起業家ビザは別として、移住自体にはそれほどお金はかかりません。その証拠にオーストラリアにも給与水準の低いアジアの国々から正式にビザを取ってたくさん来ています。インド人も多いですが、彼らの給与は日本の六分の一。彼らは決して大金持ちの家庭というわけではありません。お金がかかるなら彼らは物価が世界で一番高い部類のオーストラリアなど来られるわけはありません。

日本人の移住が少ないのは、日本の外に住むという発想がない人が多いこと、日本語以外しゃべれない人が多いこと、日本の外で稼ぐ能力がない人が多いことが理由だと思います。お金の面でいえば、給与水準が世界一の日本人は一番移住しやすい国民です。他の多くの国と違ってパスポートでどこへでも行けますし。政府が移住をサポートするというのはきいたことがありません。移住する人はみんな自分の力で来ています。

こあらさん

いつも読んでいただいてありがとうございます。連絡先がないのでここで書けることしか書けませんが。オーストラリアは転職市場が発達しているので、専門職の場合エージェントは業界別、職種別になっていることが多いです。私は私の専門分野に特化したエージェントを使っているので、残念ながら誰にでもご紹介できないのです。オーストラリア移住がうまく行きますようにお祈りしています。

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プロフィール

divayoshiko

Author:divayoshiko
よりよい生活と仕事環境を求めて、日本の会社を辞めてオーストラリアに移住しました。IT技術者として生活を確立するまでの様子、日々の生活や仕事のこと、現地情報、オーストラリアや日本について感じることなどをつづっています。メルボルン在住。
Twitter @divayoshiko

これまでの歩み
2009年
4月  技術独立ビザで永住権取得
2010年
1月  東京からブリスベンに移住
2月  シドニーに移住
4月  ブリスベンに移住
5-6月 メルボルンに長期出張
2014年
2月  メルボルンに移住

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