スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

日本の若者はなぜ留学しないのか

日本の若者は留学しなくなった、内向きになったといわれています。日本人の留学先トップのアメリカでも激減しているそうです。確かに私のまわりを見ても、留学生といえば中国や韓国からが圧倒的。私の勤め先の大学では、留学生の出身国は中国が群を抜いてトップ。そしてお隣のニュージーランド、香港、韓国、インド、南アフリカ、先進大国のアメリカ、カナダ、イギリスと続きます。人口比を考えると中国やインドが多いのはもっともですが、香港、韓国、台湾、ベトナムなどの小国からが多いのは目を引きます。やはり経済が急成長中のアジア諸国が外国に出ていって高度な知識や国際コミュニケーション能力、異文化対応力を磨き、経済成長の一翼を担っているんでしょうから、この傾向はもっともだと思います。そして日本はこれらの国に遠く及ばず留学生が年々減少していますが、これも日本経済の停滞によく反映されています。

なぜ学生は留学したがらなくなったのでしょうか?大人は若者が冒険しなくなったと嘆きますが、それにはそれなりの理由があるはずです。まず日本の新卒一括採用制度のもとでは、学校を出てそのままストレートに就職しないと不利になるという事実があります。多様な経験や専門知識が必ずしも求められていないので、留学する動機がないのです。一方韓国などでは留学をすることがエリートの証で、留学の評価が高いので、どんどん外へ出ていき、戻ってきた人材は国の経済発展に貢献しています。

社会人になってからの留学は、スポンサーになっていた日本企業の業績悪化のため、社員をMBA取得などで海外に送りださなくなったことが大きいと思います。私がアメリカに留学したときはまだまだバブルの余韻があったので、社費留学生はたくさんいましたが(といっても豪華なアパートに住み毎日ゴルフ三昧で、勉強なんか申し訳程度にする人も多く、毎日銀行残高を気にする貧乏な私費留学生の私とは別世界の住人でしたが)、今日本企業にそんな余裕はありません。

共通していえるのは、海外で学んだことが必ずしも日本では役立たないということがあると思います。海外では専門家が重宝されるのに対し、日本では専門家は煙たがられ、言われたことを深夜や休日労働によって生み出された時間で勉強して、なんとかその場を乗り切る人の方が評価されるからです。私はアメリカで情報システムを学びましたが、学んだことは日本ではあまり役に立ちませんでした。どこへ行っても共通の技術は確かに役に立ちましたが、日本のビジネスのやり方が他の国とあまりにも違いすぎるため、学んだことを適用できないのです。大手の日本企業はアメリカに飛んで留学生の採用活動をしていて、私もアメリカで日本での就職を決めたのですが、国際的な視点を持った社員を育てたいという企業の思惑は、内向きな日本の企業文化の中では外れてしまうことが多かったと思います。大金をはたいて留学しても役にたたないのでは留学する意味がありません。海外で学位を取って日本に帰っても、海外にまた戻ってしまう人はよくいました。

そうでなくても日本の社会は異質なものを極端に嫌いますから、他人と違うバックグラウンドを持つ人は肩身が狭くなります。私は日本にいたときは、アメリカに留学したことも、学位を持っていることも隠していました。「留学生の国際感覚を活かしたい」などとカッコイイことを言っている会社でも、海外経験があるというとよそ者扱いされ、日本の常識とは違う視点で発言すると煙たがれるのです。海外にいたことを隠して日本で生活している人は私の知り合いでも何人かいます。日本では海外のことなんか知らないふりをしている方が身のためなのです。今オーストラリアにいて、私のまわりでは海外での経験を会話の中で自然に語る人は多いし、自分の知らない世界のことを聞きたがる人は多いです。多様な社会に適応できる人と思われ尊敬もされます。この180度の違いは大きいです。

世界がグローバル単位で動くようになり、ビジネスモデルも大きく変わった今、従来のモデルにしがみついていた日本の企業は軒並み業績が悪化し、ソニーなど日本を代表するエレクトロニクス関連企業は惨敗です。変化のスピードが激しい業界で、新しいアイデアや今の自分たちとは異なる視点を取りこむことができない企業がいずれこうなるのは、ずっと前からわかっていたことなんですけどね。日本の企業もここまで悪くなってようやく気がついたのか、海外からの留学生の採用とか海外人員の登用などと言いだしました。そんなことは昔からとっくにやっている海外の企業とは周回遅れの出発です。

これからの留学生は、もしかすると日本企業の中でもう少し居心地がよくなるのかもしれませんが、とにかく意思決定も改革も考えられないほど遅い日本。せっかく留学したのなら、自分の経験を買ってくれない日本の企業なんかには固執せず、さっさと海外に出ちゃったほうが何倍も自分を磨けるんじゃないでしょうか。企業だけでなく個人も、今の豊かな生活にあぐらをかいているととんでもないことになります。先進諸国がその地位を保ち続けられる時代は終わりました。グローバルレベルでのサバイバルを視野に入れなければならないこれからの若者は、日本でしか通用しない特殊な環境の中でしか生きていける能力がないのは大きなリスクです。

関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 海外にて日本を考える
ジャンル : 海外情報

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

こんばんは、日本旅行から帰ってきたら、随分涼しくなっいました。日本はもっと涼しかったけれどもね。
日本人の若者が留学しないのは、お金が無いからではないですか。お金が全てとは言わないけれども、義務教育が終わり、その後、大学まで親掛かりで面倒を見てもらえる日本社会において、金銭的理由は非常に大きなウェイトを占めていると思います。
その証拠に私が渡豪した1990年代の前半は、オーストラリアの語学学校の40%は日本人でした。高卒、大卒、あるいは社会人、様々な年齢層の日本人で溢れ返っていました。私は、自分と異なる人は切り捨てたけれども、それが日本人、あるいは日本社会なんではないですかね。
でもね、今回、日本へ行って、その謎が解けたような気がするんです。まぁ、ひとそれぞれ、と言ってしまえばそれまでなんだけれども、要するに、それで満足する人もたくさんいる、ということではないかな...と思うんです。私も随分丸くなったものだなぁ...と思ったものです、今回の日本旅行では(笑)。
冗談はさておき、私、divayoshikoさんの文章を読んでいて、共感せざるを得ないのです。なぜならばそれがこちらの当たり前の考え方なのだから。それを日本社会にどう理解してもえらるのか...それは私自身の課題でもあります。


Songlarkさん

おかえりなさい。確かにバブルの時と比べると金銭的な問題があるのは事実でしょうね。でもオーストラリアにも日本と比べて物価水準がずっと低い国からたくさん留学しに来ているわけですから、それが大きな原因とも思えません。本当に留学したいんならなんとか方法を見つけて来ると思うんです(貯金がゼロを切らないかビクビクして働きながら留学していた私だからそう思うのかな)。アジアの人達の上昇志向はすさまじいものがありますけど、今の日本は豊かになりすぎたからなのか、そういうものがあまりないように思います。でもアメリカなどは日本が昔から憧れるほど豊かな暮らしをしているのに、企業家精神、独立志向が強いので、豊かさだけが原因でもないんですよね。

今回のコメントはせっかくいただいたのにちょっと意味不明なところが多かったんですが・・・(笑)。でも勝手に解釈させてもらうと、「それで満足する人もたくさんいる」というのはなんとなくわかる気がします。そうですね、それで満足なら好きなようにすれば?って私も最近は思います。「それを日本社会にどう理解してもえらるのか」というのは私の課題でもありますが、わからない人はしょうがないと最近は半分あきらめの境地です。

おはようございます。
あは、前回のコメント、意味不明でしたか(苦笑)。私、朝方の人間で、前回のコメントは真夜中に書いたと思うんですよね、申し訳ありません(笑)。
解釈していただいた通りの意味なんです。今はもうオーストラリア人として暮らしているけれども、その昔はこれでも日本人でしたので、divayoshikoさんの記事には深く同意、あるいは共感することができるのだけれども、私自身の問題として、実際、日本で生活しない私自身がとやかくいうことでもないのでは...という「ジレンマ」も存在するわけですね。他人の家庭の子育てに首を突っ込んでいるような感覚とでも言いましょうかね...この感覚はオーストラリア人になる前から存在していましたので、今回divayoshikoさんの記事を読んでほろ苦い気持ちになったことも事実です。
豊かな社会と上昇志向に関しては、以前はdivayoshikoさんと同じ考え方だったけれども、今はそうは思いません。日本という国の歴史や文化、風土を考えると、他国との比較がそれほど意味を持たなくなるという結論に達しています。こういったことも、前述した「ジレンマ」を構成するひとつではあるのですけれどもね。
今回は多少理解していただけるコメントになっていたでしょうか...

Songlarkさん

うーん・・やっぱりよくわかりませんが、私もオーストラリアに20年ぐらいいればそういう境地になるんでしょうかね?それはそうと、自分の国として見るか、他人の国として見るかによって日本の見方が違ってくるのは当然だと思います。私は日本国民で日本に選挙権も労働権もあり、我が日本がいい国になってほしいと心から願っていますが、オーストラリアはしょせん他人様の国ですから。もちろん自分が住む国はいい国であってほしいですが、自分の母国に対する気持ちと居住国に対する気持ちはやっぱり少し違います。私もここに長く住んでいれば両国に対する見方も変わってくるんでしょうけどね。

独自の道もいいもんですよ。イギリスだってユーロに
入らなかったわけだし。

日本にもおかしな事だらけだが世界にもおかしな事だらけ。オージーも変な白豪主義やら動物愛護の精神が
あるから何ともいえない。結局はその国独自で
切り開いていくしかない。

通りすがりの日本人

そうですね、日本はその道しかないのかもしれませんね。白豪主義は40年前になくなり、今はアジア系移民だらけです。
プロフィール

divayoshiko

Author:divayoshiko
よりよい生活と仕事環境を求めて、日本の会社を辞めてオーストラリアに移住しました。IT技術者として生活を確立するまでの様子、日々の生活や仕事のこと、現地情報、オーストラリアや日本について感じることなどをつづっています。メルボルン在住。
Twitter @divayoshiko

これまでの歩み
2009年
4月  技術独立ビザで永住権取得
2010年
1月  東京からブリスベンに移住
2月  シドニーに移住
4月  ブリスベンに移住
5-6月 メルボルンに長期出張
2014年
2月  メルボルンに移住

最新記事
最近のコメント
伝言板
カテゴリ検索
日付順検索
プルダウン 降順 昇順 年別

07月 | 2017年08月 | 09月
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -


キーワード検索
トリップアドバイザー掲載 タスマニア記事
タスマニアの旅行情報
トリップアドバイザー掲載 ニュージーランド記事
クイーンズタウン
個人的なコメントや質問はこちらからどうぞ

名前:
メール:
件名:
本文:

関連ブログ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。