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高いっ!けど安心な歯科医療

知らない間に虫歯が進み、根管治療(Root Canal Treatment)をしなくてはならなくなりました。日本出発前に歯の治療はきちんとやっておいたはずなのに・・・。この治療は歯の根の中の細い管にある神経を取って細菌を徹底的に除去し、その後に薬を流し入れて最後にクラウンをかぶせます。歯を残すためには大切な治療だけど難しい治療で、失敗すると細菌を除去しきれず、後から細菌が増殖してしまうこともあります。

オーストラリアの歯科治療はとにかく高い!(費用の安い東南アジア諸国にバカンスを兼ねて歯の治療に行く、デンタルホリデーというのが人気らしい)見積もりを取ったところ、歯科医にもよりますが根管治療とクラウンのセットでだいたい$3300(今の為替で27万円ぐらい)。そして歯科はすべてMedicare(国民健康保険)がききません。そのためにプライベート保険に入ったわけだけど、治療科目によって待機期間があって、このような大がかりな治療は1年も待たないと保険が使えないのです。私はまだ加入したばかりなので、今回の治療の中で今保険が使えるのはレントゲン撮影ぐらい。つまりほとんど無保険の治療になります。歯一本の治療にこんな大金がすっ飛んでいくなんて・・・。同じ治療が日本だと無保険でも約半分ですむ(クラウンの種類にもよる)し、国民健康保険を使えばさらに安くなります。私は日本の保険はないけれど、根管治療はオーストラリア、クラウンは一週間の帰国を利用して日本で入れることにしました。

しかし治療費が東南アジアの二倍というならわかるけど、物価がほぼ同じの日本の二倍もがかかるっていったいどーゆーこと?とおおいに憤慨していたわけですが、高いなりのこともありました。移住後すでに四人の歯医者さんにお世話になりましたが、みな信頼できる人たちばかりでした。どんなに小さいことでも納得のいくまで患者に説明をするし、治療中も今何をやっているのかいちいち教えてくれ、希望すれば顕微鏡カメラを入れて中の様子を見せてくれました。患者に不快なことがないかよく気を配ってくれるし、とにかく患者主体という印象です。こちらでは歯医者によって値段や保険の適用範囲が違い、複数の歯医者さんから見積もりを取って決めるのが普通なので、歯医者さんもうかうかしちゃいられないのでしょう。

医者と患者はあくまでも対等なので、安心して治療が受けられました。日本では医者の方が立場が上で、長年付き合っている歯医者でさえ医者と患者と間には見えない壁があり、立ち入ってはいけない聖域がある雰囲気がありました。こちらは国民気質もあるのかもしれませんが、ざっくばらんになんでも話すことができ、興味本位で治療器具の質問などをしても丁寧に答えてくれました。歯科はMedicareの効かない特別医療なので、普通の医療とは別格という気がします。まあ無保険治療だし、それなりの料金を取るので患者を丁寧に扱うのも当然かもしれません。また根管治療は高度なテクニックを必要とするので、オーストラリアでは普通の歯科医でなく歯内治療専門医(Endodontist)でないとできません。

治療法の違いもあります。根管治療のときにはラバーダムというゴム製のマスクを口内に覆って細菌感染を防いでいました。日本でも根管治療を何回かしたことがありますが、ラバーダムを使うのは今回が初めてでした。根管はとても細くて歯の内部に入り込んでいるため、細い針のような器具を使って手さぐりで細菌を取り除くので、どうしても細菌が残ってしまうことがあり、治療の成功率は必ずしも高くないのです。ラバーダムを使った場合の成功率は90%、使わないときは50%以下という調査結果があります。ところが日本では根管治療の保険点数が低く、普通に治療していたのでは歯医者は赤字になってしまいます。しかも最近さらにラバーダムの点数が0点になったので、歯科医にとっては使えば使うだけ損。どこかでコストカットしないとやっていけないので、日本のほとんどの歯科医はラバーダムを使わないのです。つまり保険制度のために成功率の低い治療法に甘んじているということ。皮肉ですね。

治療の質は必ずしも最高ではないけど、国民健康保険を使い気軽に低コストで最低限の治療が受けられる日本の歯科。国民健康保険は使えずべらぼうに高いけど、専門医に高度な治療を受けられるオーストラリアの歯科。一概にどちらがいいとは言い切れず、考えさせられてしまいます。この問題は日本でも議論の対象になっていますが、日本の保険制度の中でしか考えたことのなかった医療を別の視点で見ることができた貴重な体験でした。

治療中撮影したレントゲン写真を日本の歯医者に使ってもらうためにもらえないかきいてみたところ、Eメールに写真を添付し、日本の歯科医への説明用に治療内容を簡単に書いてすぐに送ってくれました。オーストラリア国内では、患者が情報公開の承諾書を書けばレントゲン写真を他の歯医者に直接無料で送ってくれます。写真代が二重にかからずに済むし、時間も手間も節約できて患者にとっても医者にとっても一石二鳥。さっそく日本の歯医者にメールを転送しました。来週は日本でクラウンの装着です。


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テーマ : オーストラリア
ジャンル : 海外情報

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日本ではセカンドオピニオンもなかなかもらえないですよね。一部の医療機関を除き、カルテの開示がなかなか進まないのも原因でしょう。国内の医療の現場はようやく「患者様」になってきて、ある意味顧客指向的な考え方が出始めてはいるのですが、この「患者様」もなあ。もうちょっと別の呼び名を考えてほしいです。

Nuggetさん

患者様ですか、確かに顧客志向が強くなるのはいいことですがちょっと極端ですね。こちらでは医者と患者が冗談飛ばしたり気軽に世間話をするような対等さです。お国柄ですね。


はじめまして

もう日本での治療を終えたころでしょうか。

僕も個人的にはオーストラリアの歯科治療は高いと感じてます。

しかし、治療の予約を変更しようとしても、同じ週は予約がいっぱいで、変更日が2週間後とかになったことがあります。需要と供給やdivayoshikoさんの指摘しているようなサービスの内容を考えると、オーストラリアの治療費はそれほど高くないのかな?

MARAさん

こんにちは。永住者仲間にコメントいただけてうれしいです!アデレードは一度行きましたが、のんびりしていていいところですね~。日本での治療を終え帰ってきました。私も予約は連続して二回取ると間があいてしまったりしてすぐには取れませんでしたが、考えてみると日本でもなかなかとれなかったと思います。オーストラリアの治療費は決して高くないとはいえないと思いますけど、やはり歯は一生の財産ですから、食べることが大好きな私としては多少お金はかけてもなんとしても失いたくないです。歯に対する考え方で高いと思うか安いと思うかが変わるかもしれませんね。

根管治療

はじめまして。

2年半遅れのコメント投稿で失礼します。
私、日本に一時帰国中の者です。帰国後、奥歯に激痛が走り、現在、歯医者に通っている最中です。2カ所の歯医者に行き根管治療が必要と言うのは確実なのですが、根の先が奥の奥で枝分かれしているとのこと。全ての神経を取ることは、大変難しいと判断され、3本中2本の神経治療をし、1本は残すことになりました。
ですが!!残念なことにシドニーに戻る直前に痛みが再び(泣)
予約も思う様に取れないというのもあり、日本で治す時間もなさそうです。シドニーで確実にしっかり治してしまいたい!!と心から願っております。
良い歯医者の探し方、ご存知でしたらアドバイスください。
歯の大切さ、しみじみ感じる日々です。

espressoさん

あらあら大変、その状態でこれからシドニーで歯医者を探し、予約を取って治療だとちょっと心配ですね。私は歯医者をいろいろ探したわけではないので残念ながらいいアドバイスができません。ご存知のようにオーストラリアは専門別に医者が細分化されていて、根幹治療をするときはいつも見てもらっている人とは違う人が出て来ましたのでお任せしました。ラバーダムは使った方がいいので、ラバーダムを使うかどうかを選定の基準にしてもいいかもしれません。

私は根幹治療で懲りてから虫歯には気をつけるようにしています。年に二回の定期検査は欠かさず、歯ブラシを電動に変え、歯間ブラシを併用し、職場でランチの後も磨いています。espressoさんも予防には気をつけてくださいね。

お返事ありがとうございます

本当にあららです。
明日、無理矢理予約を取り、現在通っている歯医者に行ってきます。応急処置でもしてもらい、シドニー着まえに歯医者を探し、予約してしまおうと計画中です。
ラバーダム、ここをしっかり確認したいと思います。
アドバイス頂き有り難うございます。

私も定期検査しなくてはいけませんね。
プロフィール

divayoshiko

Author:divayoshiko
よりよい生活と仕事環境を求めて、日本の会社を辞めてオーストラリアに移住しました。IT技術者として生活を確立するまでの様子、日々の生活や仕事のこと、現地情報、オーストラリアや日本について感じることなどをつづっています。メルボルン在住。
Twitter @divayoshiko

これまでの歩み
2009年
4月  技術独立ビザで永住権取得
2010年
1月  東京からブリスベンに移住
2月  シドニーに移住
4月  ブリスベンに移住
5-6月 メルボルンに長期出張
2014年
2月  メルボルンに移住

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