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専門能力に対する評価

日本は海外と比べて専門職に対する評価や待遇が大きく違うというのはよく言われることですが、オーストラリアに来て実際に仕事をするようになってますます実感しています。

まず会社が社員を募集するとき。募集要項にはそのポジションに必要な能力がびっしり書かれていて、経験年数、必要な学位なども書かれています。専門分野の他にもそのポジションに必要な素質とか、仕事に対する態度とか、会社のカルチャーなど、ものすごく具体的です。特に学歴は何を学んだかが重要で、応募する職種と関連する学位を持っていることが必要です。能力が大切なのであって、年齢や性別はあまり関係ありません。

応募者の能力をきちんと判定してから面接に送り込む必要があるため、就職エージェントにも細かい分野別に特化した専門リクルータがいます。面接では、自分がその応募条件に当てはまることを過去の経験をもとに具体的に証明しなくてはなりません。

そして入社後は即戦力になることが期待されます。特にIT業界では数年で転職する人が多いので、在籍中に高いパフォーマンスを出すことが大切です。自分のキャリアプランや家庭の事情などを上司に話し、本人の意向と会社の期待をすり合わせ、極力本人の意向に沿って仕事を割り当ててくれるので、自分の希望に沿ったキャリア開発ができます。この国に来て自分のキャリアとは関係ない余計な仕事を振られることがなくなったのは本当にうれしい限り。日本に比べると特定分野のスキルがあることが尊重され、会社から大切にされている感じがします。本人のキャリア上の目標を達成するために会社側もトレーニングを受けさせたりして、社員をサポートします(そうでない場合は転職するだけです)。

これに対して日本の募集要項は短くあいまいで、見ただけではどんな人が欲しいのかよくわかりません。職種が書いてあるだけで、求められる能力が書いてないことさえあります。おそらくそのポジションにどんなスペックの人材が必要なのか、社内で定義がされていないのでしょう。学歴も専攻はあまり重視されません。私はアメリカで情報システムの学位を取りましたが、日本では転職時でも入社後の能力査定でも評価されることはまったくありませんでした。とはいってもこの分野では他国に比べて大きく後れを取っており、仕事のやり方が特殊な日本では、アメリカで学んだことはあまり役に立たなかったので、評価しろと言われても無理なのでしょうが。

面接時の評価基準もあいまいなので、会社によっては年齢や性別、家族構成、残業できるか、個人的な好みなど能力と関係ないところで評価されたりします。年齢が上がると経験も専門性も上がるはずなのに、年齢制限を設けるということは、専門能力や経験が高い人は要らないってことでしょうか。リクルータは分野別に分かれていたとしても、実際にはその分野の専門知識はあまりないことも多いです。

能力を厳しく査定されて入社するわけではないので、入社後必ずしもすぐにその分野で能力を発揮できるわけではありません。仕事のアサインは上司がその人の能力やキャリアプランに基づいて決めるとは限らず、たまたま人手が足りないからなんていう理由でアサインされたりします。その結果経験不足で追いつけない分は、深夜勤務や休日勤務でカバーします。私が勤めていた外資系企業ではどの会社もキャリア開発の制度こそ本社と同じでしたが、日本ではあまりうまく機能していなかったように思います。特にIT技術者は新しい技術をきちんと勉強して常にスキルアップをしておくことはキャリア開発上重要ですが、社員にトレーニングを受講させる時間とコストを渋る日本の会社をたくさん見てきました。「一週間も仕事から外れるなんてとんでもない」「机の勉強より現場に出て覚えたほうが何倍も勉強になる」という体育会系のノリ。基礎知識があればこそそれが現場で生きるのですが、知的労働者が基礎もないのにいきなり応用をやったらどうなるか。それは自己流の仕事と仕事の質の低下と能力不足を補うための長時間労働です。

経験が少ない人を安く雇って長時間労働を課すというのが日本流の効率性なのかもしれません。終身雇用が長かったため、社員の能力を客観的に判断したり、短期間でパフォーマンスを出すことがあまり重要でなかったというのもあるでしょう。でもこんなやり方が通用していたのは今まで日本にとっての世界が日本だけだったからです。グローバル化が進み、ビジネスのスピードが速くなっている今、日本だけしか通用しないやり方にはもう限界があります。日本が世界と競わざるを得なくなって、常に即戦力になる専門能力を磨いている人とそうでない人、またそういう人材を抱える会社とそうでない会社が同じ土俵に立ったとき、どちらに軍配が上がるかは明らかです。会社も個人も人材の評価方法やキャリア開発について考え直す時が来ています。会社も働く人もハッピーになる方法に。

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テーマ : オーストラリア
ジャンル : 海外情報

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日本企業が海外現地法人にガバナンスを効かせることができないのは、海外現法のほうがプロフェッショナルな人材が多いからでしょうね。
ところで、最後の「で」の後は?

Nuggetさん

あしからず、これでおしまいです。タイポでした。直しておきました。v-392


こんばんは。はじめまして。メルボルン在住です。

私は日本では臨床検査技師&超音波検査士で働いていました。乳がんについて学びたくて、こちらに来たのですが、超音波検査士の専門的地位は日本よりはるかに高く、私もこちらで資格をとり、仕事ができることにとても感謝しています。就職時に年齢・性別は全く関係なく、もちろん容姿も(笑)関係ありませんよね。経験をつんでいればお給料もアップしますし、どちらかと言えば、知識のない若い人より、知識の高い人を採用します。多分、私は、今、日本に行っても、子持ち、女性、年齢制限で就職は不可能ですね。
本当に、こちらに来てラッキーだったと思います。
日本も、今までのこだわりを捨てて、新しい風が吹くと、景気も変わっていくのではないかと思いますが・・・。

Mika creative さん

こんにちは。コメントありがとうございます。オーストラリアに共感していただける日本人女性がいるなんてうれしいです!そして私の大好きなメルボルンにお住まいとは!仕事でよく行ってます。本当に変なこだわりをなくせば日本はもっともっとよくなると思うんですけどね。私もこちらに来て本当によかったです。ブログ興味深く、ゆっくり読ませていただきますね。
プロフィール

divayoshiko

Author:divayoshiko
よりよい生活と仕事環境を求めて、日本の会社を辞めてオーストラリアに移住しました。IT技術者として生活を確立するまでの様子、日々の生活や仕事のこと、現地情報、オーストラリアや日本について感じることなどをつづっています。メルボルン在住。
Twitter @divayoshiko

これまでの歩み
2009年
4月  技術独立ビザで永住権取得
2010年
1月  東京からブリスベンに移住
2月  シドニーに移住
4月  ブリスベンに移住
5-6月 メルボルンに長期出張
2014年
2月  メルボルンに移住

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