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社員教育に見るダイバーシティ

私のクライアントは全社員必須のコンプライアンスのトレーニングがあって、定期的に受講しなければなりません。私は社員ではありませんが、常駐して社員と同じように働いているので受けなければならないのです。どうせ自分の会社じゃないしめんどくさいな?とのんびりやっていたら、会社のワークフローシステムが発動して大ボスに連絡が行ったらしく、早くしろと催促を受けてしまいました。きゃーごめんなさ?い!!

内容は、顧客に対する責任、取引についての規定、緊急時の対応、健康と安全、プライバシー、職場の行動規範、紛争の対処方法、情報システムのポリシーなどです。CBT(Computer Based Training)なので、自分で時間を調整して好きな時間に受ければいいのですが、カバー範囲が多岐に渡り、各科目の最後には試験もあって、合格しないと何度でも受けなければならないので、全部終えるまでにのべ2?3日はかかると思います。これは社員を守るためでもあり、会社を守るためでもあると思いますが、会社の活動に関係する国の法規についてもかなりしつこく勉強させられます。

日本で外資系の会社で働いてた時も同じようなトレーニングを受けさせられていましたが、お国柄が出ているものもありました。職場の行動規範についてのトレーニングの中身というのは職場での差別、セクハラ防止などが含まれますが、中でも人種差別は絶対にしてはならないということを強く言っています。いろいろな人種が集まっているオーストラリアではこれはきれいごとではなく、目の前にある現実なのでしょう。その他年齢、性別、宗教、身体障害、外見、家庭での役割などによる差別が挙げられていました。

試験の中にこんなのがありました。
質問 「あるイスラム教の社員が昇進を申請しましたが、上司は拒否しました。一番の理由は他の管理職から彼女の業績が思わしくないと聞いていたことですが、この上司はイスラム教徒が好きではないので、できたら一緒に働きたくないともいいました。果たしてこの上司は差別的行動をしているでしょうか?」
答え 「はい、これは差別です。昇進を拒否した主な理由は業績だったとしても、宗教によって差別されていると思われるからです。」

またこんなのもありました。
質問 「ある男性社員は子育ての主な担い手です。彼の上司は毎週火曜日の夜6時から7時に全スタッフのミーティングを設定しました。でも彼はこの時間は子供の世話があるのでミーティングには出られません。このミーティングは次のうちどれにあたるでしょうか?」
答え 「この社員は家族責任という理由で間接的に差別されています。」

これも子育てに積極的に関わったり、離婚後子供を引き取る男性が多い国ならではの問題です。人種や宗教、子育てに関する差別だけではなく、この国はさまざまな人が働いている背景から、もともと差別が起こってもおかしくない環境だと思います。日本は子育て中の女性の労働人口が極端に下がるM字型ですが、この国では多くの子育て中の女性が働いています。年配の女性が正社員で働き続けるのも普通のこと。働き方も給料の高い正社員 VS 給料の低いパートタイム&派遣みたいな固定的なものではなく、プロフェッショナルの派遣や契約社員、パートタイマーもたくさんいます。育児休暇から戻って来る人もいるし、海外で働いて戻って来る人もいるし、社員のバックグラウンドは実にさまざまです。

日本では「外国人とのつきあいや異文化経験があまりない日本人男性」という特定の人種が会社を支配していて、社員の生活や生き方もあまり変わらないので、あうんの呼吸でわかり合えます。労働人口が減り高齢化が進む日本は、海外からの労働力をどう使うかを真剣に考えなければなりませんが、実際にやるとなると、ほとんど単一民族で構成され、純粋培養で育ってきた日本では相当の軋轢が生じると思います。違うバックグラウンドの人とお互いに理解し合いうまくやっていく能力は教科書で勉強できるようなものではなく、実地経験を積まないと伸ばせないからです。

日本では人種差別問題はあまり大きな問題になりませんが、それは差別が問題になるほど違う人種が身近にいないからだと思います。外資系の会社でさえ外国人社員を「ガイジン」と呼んで区別するぐらい外国人に免疫がない国民だし、女性や高齢者、身体障害者などの日本人でさえ別扱いにする気風があります。外国人労働者を入れることは日本の国力を高める有効な手段の一つだと思っていますが、ダイバーシティを経験する環境が少ない日本人は相当の覚悟が必要だなと、トレーニングを受けながら思いました。

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テーマ : オーストラリア
ジャンル : 海外情報

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覚悟も必要だと思うのですが、そうなる環境を作ることに対しても、覚悟がまだできていないと感じます。たとえば、医療介護士の資格試験を見ると、海外の人にも同じ日本語試験が義務になります。せっかく知識が身についても、それを日本語で証明しなければならない、しかも2年から3年の間でというのは、ほとんど不可能では?と思えてなりません。
もしかしたら覚悟をしたくないから、外からこれないようにハードルを高くしているのかと勘繰りたくなります。

Nuggetさん

言葉の壁も大きいですね。介護士や看護士は日本語が完璧あやつれることが一番重要ではないと思うんですが、試験には日本人でもわからないようなめったに使われない医療用語が漢字で出てくるそうですね。外国のものを日本にもってくるとき、中身以前に完璧な日本語化を求めるのはソフトウェアでも同じです。日本語は世界の中でそれほど存在感のある言語でもないのにいまだにそんなことを言っていると、誰も日本を相手にしなくなるのでは?と思います。



プロフィール

divayoshiko

Author:divayoshiko
よりよい生活と仕事環境を求めて、日本の会社を辞めてオーストラリアに移住しました。IT技術者として生活を確立するまでの様子、日々の生活や仕事のこと、現地情報、オーストラリアや日本について感じることなどをつづっています。メルボルン在住。
Twitter @divayoshiko

これまでの歩み
2009年
4月  技術独立ビザで永住権取得
2010年
1月  東京からブリスベンに移住
2月  シドニーに移住
4月  ブリスベンに移住
5-6月 メルボルンに長期出張
2014年
2月  メルボルンに移住

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