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IT技術者こそ世界を目指してほしい

日本でも海外で働くこと、海外へ移住することに関心が高まっている今日この頃。日本人は在外日本法人や日本に関係した仕事につくことが多いと思います。でも日本語を活かした仕事は他に専門性がなくてもできる仕事が多く、日本語以外の専門能力開発にはなかなか結びつきません。また日本の企業文化から逃れたくて海外就職する人は、現地で日本企業で働くのではわざわざ海外に来た意味がありません。キャリアの面でも収入の面でも、専門性を活かして現地法人で就職する方が有利です。なかでも世界共通の技術を活かせるIT職は、移住者にとっておいしい職種です。

日本人が海外就職する場合、どうしてもネックになるのが言葉です。専門技術はそれを補ってくれます。技術力さえ証明できればヘタな英語をカバーしてくれるので、日本人にとっては本当にありがたい職種なのです。ただし、技術者も仕様を口頭や文書で伝えたりディスカッションすることも多いので、コミュニケーション能力は重要です。私の場合、仕事の応募条件をみても「コミュニケーション能力に優れている人」と書いていないことはないくらいです。でも対人職種よりはずっとハードルは低いです。

IT技術職はもともと人材の流動性が高い職種です。技術は世界共通のことが多いので、そのときに必要な人材を世界のどこかから連れてくるというのは一般的。グローバルプロジェクトに参加したり、国境を越えた転職も当たり前なので、国をまたいだ人材調達に対して抵抗が少ないのです。世界共通語の技術と英語さえあれば、世界中の技術者とすぐに会話を始めることができ、世界のどこでも仕事ができるのが強み。IT技術職はビザの面でも有利です。オーストラリアもIT技術職はビザが取りやすい職種の一つ。私がビザを取った時は、Australian Computer Societyという機関に技術査定をしてもらいました。世界どこでも共通の技術ならではの強みです。

日本のIT業界から離れて一番よかったのは、3K(きつい・厳しい・帰れない)と言われる劣悪な労働環境から解放されたこと。残業漬けの生活から定時に帰る生活に180度変わりました。仕事環境も、日本ではありえない大きな個人スペースが確保され、一人につきモニター二台は当たり前。仕事内容は、専門性ややりたいこと、個人のキャリアパスが尊重されます。朝早く来ようが遅く来ようが、仕事の途中でジムやお散歩に出かけようが、責任さえ果たしていれば誰も文句をいいません。そんなことより結果を出すことの方が重要なのです。狭い空間で集団で仕事をし、常に周囲の監視の目の中で長時間働く日本とは別世界です。

この違いは、IT技術者の地位の違いから来ているのではないかと思います。日本のソフトウェア開発といえば価格を人月計算する労働集約型。技術者の価値は時間で量られ、低賃金で長時間働かされる独特の文化があります。一方世界では、特定分野のプロフェッショナルの成果物に対して相当の賃金を払うという考え方があり、個人の能力や働き方が尊重されます。

能力開発についても状況は違います。日本の働き方ではそもそも勉強する時間がないので、勉強するのはどうしても通勤電車の中や週末になります。また技術修得は自己責任のような風潮があるので、雇用主は人材教育にあまり時間とお金をかけたがりません。オーストラリアでは、人材を引き留めたり能力を発揮させるのに有効なので、雇用主は一般的に人材教育には熱心です。私の今の職場では、仕事の時間を短縮して大学院に通っている人が二人います。そして仕事で得た経験や能力をもとに、次の転職先へと移りながらキャリアアップしていくのです。

業界の世界の潮流に乗り、世界標準の方法論に基づいて仕事ができるようになったことも大きなメリットです。日本のIT業界は非常に閉鎖的で仕事のやり方も特殊です。言葉の関係で世界の情報はなかなか入って来ないし、世界の人材の出入りもないので、日本だけしか通用しない仕事のやり方がまかり通っています。英語環境で仕事をしていると、世界の最新動向が日常的に入って来ます。職場は世界から来た移民だらけ。世界がとても近い環境で仕事をしています。

これほどいろいろな国からIT技術者が来ているのに、日本の技術者が国内にこもっているのはとても残念。自分の持てる強みを生かし、もっと多くのIT技術者に世界を目指してほしいと思います。


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テーマ : 海外生活
ジャンル : 海外情報

ネット上の海外情報を信じるのは危険

日本人経営の美容院に行った時のこと。ワーキングホリデービザでオーストラリアに来て間もない女性スタイリストが担当になりました。オーストラリアの人の考え方や価値観について話していた時、彼女が「オーストラリアの人ってみんな○○ですよね。」といいます。私自身はそういう人に出くわしたことがなかったので、それを聞いてびっくりしました。よくよく話を聞いてみると、彼女が付き合っている人たちは私とはまったく縁のない人たちのようでした。どうりで。オーストラリアではこれが普通だと思っていても、付き合う人種が違えばまったく違う印象を持つこともあるんですね。

日本は一億総中流社会で、日ごろの行動、食べ物、仕事の仕方、休暇の取り方、価値観はそれほど変わらない均一社会です。最低賃金で働いている人たちももっと高い給料をもらっている人も、同じような質の顧客サービスが求められたりします。最近は日本も格差が激しくなったと言われていますが、海外に比べたら格差どころかとんでもなく均一社会だと思います。でも海外は違います。イギリスのように社会階層がはっきりしていたり、インドのようにクラスが違う人とは親しく付き合うことがなかったり、アメリカやオーストラリアのように移民で構成される国もあります。オーストラリアは貧富の差はそれほど激しくないし、基本的に国民はみな同等という考え方が根底にあるので、職業や収入などでつきあう人たちがまったく変わってしまうということはあまりありませんが、人種のるつぼであり、育ちも教育も生活ぶりもいろんな人がいるのは事実です。

海外の情報を得たいと思えば、インターネットでちょっと検索すれば日本語で簡単に手に入る時代。海外在住者が直接書いている場合は、現場の生の声が聞けて便利です。でもとんでもないことを発信いる人もたくさんいます。単なる無知で明らかに間違ったことを言っている人、自分で経験したこともないのに、他人から聞いた話や憶測だけで知ったように書いている人もいます。また決して間違ったことを言っているわけではないけど、立場が違えば物の見え方がまったく変わってしまうこともあるし、同じ言葉を使っていても発信者によって違う意味を持つこともあります。同じ日本人移住者でも、日本を離れてかなり経っている人と移住して3年の人とでは、一つの事象についてまったく違う感じ方を持つこともあります。それからビジネスとして発信している場合は、あくまでも自分のビジネスに益のある情報しか載せないので、明らかにフィルターがかかっているとわかる場合も多いです。誰が間違っているとか正しいという問題だけではなく、結局人間は自分の経験や立ち位置からしか発信できないということ。

海外生活の不満タラタラやその国の悪口を言い放題の人もいますが、「ああ、うまく適応できなくてストレスがたまっているんだな。」と推測できることもあります。日本人が海外で働こうと思った場合、日本の経験と海外で要求されるスキルがマッチしないことが多いのが現状です。そもそも日本では特定の職種のスキルを客観的に評価する習慣がなく、ジョブ・ディスクリプションもなく、学歴と職業のミスマッチも普通です。オーストラリアはもちろん多くの日本以外の国は、仕事の募集時に経験、スキル、学歴を厳しく問われることが多いし、日本人は言葉のハンデもあります。だから、たとえば日本の有名大企業で働いていたOLが、海外に行くと小さな日本食レストランでしか働く所がないなんてことがあるのです。すると自分が置かれている境遇、収入、生活レベル、付き合う社会階層が日本にいたときと違ってしまうので、自分が見える世界も変わってしまい、この国はこういう国なんだと思い込んでしまうこともあるでしょう。

国をまたいだネット上の発信は本当に便利ですが、鵜呑みにするのは危険です。言っていることは話し半分ぐらいに聞いておいたほうがいいでしょう。当ブログも含めて(笑)。情報を利用するなら、書いている人のバックグラウンド、職業、滞在経験などを知り、過去の発信も見て信頼性を確かめ、その人の置かれている状況を把握してから判断することをお勧めします。さらに信頼のおける第三者機関などで裏を取り、やっぱり最後は自分の目で確かめるのが一番。私も移住してから他人から聞いていた情報が180度違うことがわかったことがありましたから。


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オーストラリア移住のススメ

311以降、海外移住を考えたり実行したりする日本人が急に増えました。放射能による食品・環境汚染、中国からの大気汚染、財政破綻のリスク、破綻しかけた年金、近隣諸国との国際情勢、国際競争力の低下、政治の混迷、社会的閉塞感、過酷な労働環境、巨大地震の可能性、再び起こりえる放射能拡散・・・これからの日本は将来の終の棲家として人生を託すにはリスクが多すぎます。日本では今アジア圏への移住が話題になっているようですが、オーストラリアも日本人の移住先として考えるには決して悪くないところだと思います。移住して三年、だんだん慣れてくると悪いところもたくさん見えてくると言われたこともありましたが、私の場合いやな所はほとんど見えてきません。もちろん外国に住むということは住み慣れた日本にはない苦労があるのは当然ですが、私の場合メリットが大きすぎて、デメリットがほとんど感じられないというのが本音です。

オーストラリアは豊富な天然資源のおかげで、国民があくせく働かなくてもそれなりに回ってしまう国です。大きすぎない経済規模と南半球に浮かぶ島という地理的条件によって他の主要国とは適度な一線を保っていることもあり、世界金融危機の影響もほとんど受けませんでした。近年は諸外国の不況の影響を受けて経済に陰りも見え始め、政策金利も最近徐々に落ちていますがまだ3%です。政府債務の対GDP比は10%、200%を超える日本とは比較になりません。医療・教育水準、社会インフラも高度で、先進国としてのメリットを享受することができます。アジア移民が多いので、アジア系食品も簡単に手に入ります。日本とほとんど時差がないのも魅力です。

私が移民として住みやすいと思うのは、この国は多文化主義が国策になっているため、移民としての引け目を感じずに済むことです。これはカナダも似ていると思いますが、雑多な民族の集合体でありながら社会がそれぞれの民族や文化を尊重しているため、自分がマイノリティという感覚を感じずに済むのです。労働力人口の1/3が海外で生まれ、移民の2/3は非英語圏からきているのですから。私はIT職ということもあって職場には特に移民が多く、上司はインド人女性だし、まわりはアジア系を初めとする移民だらけです。白豪主義の印象が強いためか人種差別がひどいと思っている日本人も多いようですが、人種差別は30年前から法律で禁止されています。実際には有色人種に偏見を持つ人はいますが、これは西洋諸国ではどこでもある程度避けられないことであり、そんなことをいちいち気にしていては海外で生活などできません。人種、性、年齢、障害などによる差別の法整備もままならず、いまだに差別が堂々とまかり通っている日本とは比較になりません。

この国は労働者の権利が強いので、労働者にとっては天国です。定時になったらさっさと帰って家族を大切にするのがこの国の価値観。夜遅くまでの残業や休日出勤など、上級管理職でもない限り考えられません。年次休暇の他疾病休暇もあり、有休は消化するのが基本。一カ月程度の夏休みも普通です。プロフェッショナルの場合、高等教育から労働環境まで、専門能力を開発することが前提となっています。転職が当たり前なので、自分のキャリアプランに沿って転職しながらキャリア開発をしていくことができ、仕事をしながら大学で勉強するなど、自己啓発の時間も十分にあります。これからの時代、特に若者はどこの国でも生きていける能力をつけることがリスク回避上必要だと思います。英語で専門能力を磨き、世界中から来た様々なバックグラウンドを持つ人たちと一緒に仕事をしながら国際コミュニケーション能力を身につけられる環境はすばらしいと思いませんか?

オーストラリアの魅力はなんといっても豊かな自然と穏やかな気候です。日本の22倍の土地に22百万人しか住んでいないのですから大気汚染の心配は限定的。それに気流の関係で日本の放射能が南半球にやってくるのは時間がかかります。洪水や干ばつのリスクはありますが、地震も原発もありません。このすばらしい住環境のおかげか、人々がリラックスしていて助け合いの精神があり、社会がギスギスしていないところも住みやすさの一因です。

オーストラリアの移民政策は、以前に比べると本当にオーストラリアの国益にかなう移民に限定しているため厳しくなっていますが、非常に緩かった以前に比較すると厳しいという比較の問題で、やはり移民の労働力がないと成り立たない国です。実際私の職場にも移住と同時に就職をした人が次々と入ってきているし、最近永住権を取って移住してきた日本人もいます。ビザの条件は短期間でクルクル変わりますから、常に情報収集をしておくのがお勧めです。またビザというものは絶対的な線引きなどなく、抜け道は必ずあります。能力がないからとかお金がないからといって諦めるのはもったいないです。投資家でもない限りお金なんか最低限しか要らないし、能力がないなら能力をつければいいのです。あとはタイミングをうかがいながら、チャンスがきたらさっと動く行動力、そしてビザが取れるまで決してあきらめない忍耐力が大きくものをいいます。

テーマ : オーストラリア
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日本人が職場で苦労すること

日本で働いていた人が海外で仕事をするうえで大変なことはたくさんありますが、私がオーストラリアで働いていて特に日本人であるがゆえに大変だと思うことは、仕事のスピードとディスカッションです。

この国の人は仕事は定時に終わらせてアフターファイブや週末を楽しむのが生きがい。そのためには、仕事時間中はものすごい集中力で仕事をします。ときには同僚に話しかけるのをためらってしまうぐらいです。勇気をだして話しかけたときの反応は、日本の職場で同僚に話しかけたときの反応と明らかに違う。すごく集中していたんだなとわかって罪悪感を感じるぐらいです。短い時間内にいかに多くのアウトプットを出すかということが重要なので、とにかく仕事が早い。個々の従業員だけでなく、組織全体としての意思決定スピートも同じ。日本では考えられないほどトットコ物事が決まっていき、方針は状況によってどんどん変化し、人もどんどん入れ換わります。

日本では長時間労働が良い評価になるため、時間を区切ってその中で集中して片づけるというインセンティブは働かず、ダラダラと仕事をするはめになります。朝9時に仕事を始めると、何が何でも5時に終わらせるぞと思うことはなく、最初から夜8時とか9時とかを終了時間のターゲットにする。それでもだめなら週末があるさとなります。でもそんなに長時間集中してできるわけがないので集中度は低く、途中でタバコ休憩とか何かと息抜きが入ったり、ランチでゆっくりしてから午後の仕事を始めたり、会議が憩いの場になったり。組織の意思決定のスピードも、みんなにコンセンサスを取ってからやっと決まるので、実にスローです。以前オーストラリアにいた上司が日本に出張に来て会議に出るたびに、そのダラダラぶりにイライラしていたけど、今となってはその気持ちがすごくよくわかります。逆に時間をかけて仕事をすることに慣れた身には、こっちのスピードに慣れるのは一苦労です。

会議でのディスカッションの仕方の違いも苦労の一つ。会議では全員が自分の主張を積極的に発言するのが普通ですが、皆が次から次へと発言するのでもう大変。ブレーンストーミングともなると一度に発言している人の数が2人とか3人になることもあります。この人が終わったらすぐ自分が発言しようと待ちかまえているんですが、まだ前の発言が終わらないうちから誰かがフライング発言するのです。よし、じゃあ私も話が終わりにさしかかったら話し始めようと思って待ちかまえていると、私の0.1秒前に別の人が割り込んでしまうのです。この微妙な割り込みタイミングをマスターするのはまだまだ修行が必要みたいです。

考えてみると、テレビの著名人へのインタビューや討論番組でも、人の話が完全に終わる前から次の発言することがよくあるので、それが普通なのでしょう。日本では「人の話は最後まで聞きなさい」と教えられ、他人の話に割り込むことはよしとされません。また自分の意見を率直に述べることも必ずしも推奨されません。こちらの社会では思ったことはすぐに口に出します。たとえ周りにたまたまいた知らない人にでも。仕事以外でも、社会のこと、政治のこと、身の回りに起きたことなど、人が集まるとすぐにディスカッションが始まります。いわばディスカッションが日常化しているのです。学生のころからディスカッションの教育を受け、日常生活でも議論をしているオーストラリア人や世界各国から来た人と比べると、教育も受けず、実践経験も少ない日本人は圧倒的に不利。日本語でやったとしても大変なのに、へたっぴな英語でやっているんですから。

最近グローバル人材になるにはまずは英語ということで、TOEICのスコアを競ったりしている日本ですが、そんなものは現場では何の役にも立ちません。語学が重要なのはもちろんですが、日本人の場合、それ以上に壁になるのがコミュニケーションの方法の違いです。英語ができてもコミュニケーションができなければ、英語は何の意味も持ちません。小さいころからの英語教育もいいけれど、自分の意見を人前ではっきりと述べることや、ディスカッションの技術を習得する教育もそれ以上に大切です。大人になってからの勉強では、小さいころからの積み重ねがある人達にはとうてい追いつけません。とはいっても、国会や大人の社会の議論の仕方と、子供の学校教育での議論の仕方がまるで違うというのはちょっと考えにくく、日本の社会全体が変わっていかなければ教育も変われないのですけどね。

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海外移住の仕事獲得作戦

海外移住する場合、現役世代なら、資産家とか特殊技能を持つ人とか自分で事業を起こせる人でもない限り、雇用主を見つけなければなりません。私のまわりにはIT関連専門職として雇用されている移住者が多く、かなり前に移住した人はもちろん最近来た人も多いです。IT専門職は比較的移民が入りやすい職種です。この国ではIT関連産業は移民がいないとなりたたず、私の前の雇用主のように、国内だけでは人材がまかないきれないので、毎年海外まで出掛けて行って人集めをしている会社もあります。最近オーストラリアは永住権を取るのがだんだん厳しくなっているので移住は難しいと思いこんでいる人が多いようですが、オーストラリアが門戸を閉ざしているというよりも、世界中から来ているのに日本からは来ていないというだけの話です。

私はちょうど基準が緩くなったタイミングで永住権を取って渡豪しましたが、それからすぐに基準が変わりました。移民政策はクルクル変わるので、今の状態がいつまで続くかわかりません。永住権は持っているに越したことはないですが、実際私のまわりでは、永住権にこだわらず、面接を受けて企業にビザスポンサーになってもらって来ている人も多いです。そういう人は、私もそうでしたが自分の国で電話面接をして雇用契約を交わし、引越をして初めて会社に行くパターンです。スカイプ面接も普通のことなので、顔を見て話したければそれも可能。日本と違って人物を見るよりスキルを見ることとスピードが重要なので、物理的に近くにいることは絶対条件ではないのです。今は職探し、応募、面接、オファー、契約まで遠隔地に居ながらできるので、海外にいる人には便利になりました。

職探しはネットでできます。応募条件はかなり細かく書いてあるので、今の市場でどんなスキルや経験が求められているかがわかります。必要な学位や給料の目安が書いてあることもあるし、ビザのスポンサーになってくれるとはっきり書いてある募集もあります。特にITの場合は今の市場がどんなスキルを求めているかは一年程度ですぐに傾向が変わることもあるので、タイミングも重要です。今は情報は何でもネットで手に入るので、日本にいてもかなりのことができます。

しかし実際のところ、他の移民と同じ土俵で就職するには、日本で普通にサラリーマンをしていた人には難関というのは確かです。日本は大学を出ても英語もしゃべれず、専門能力も低いというきわめて特殊な国。しかも年功序列、終身雇用の習慣が根強く残っているため、キャリアに関する姿勢、仕事のやり方、積み上げてきたものが他の国の人と全然違うと言わざるを得ません。日本では専門能力を磨こうとしても会社がそういうキャリアパスを用意してくれないので、専門外のやりたくもない仕事がたくさん回ってきたりして邪魔が入るし、市場も普通の会社員には専門能力を求めていません。言葉の壁があっても普通の国から普通の国へ移るのはまだハードルが低いのでしょうが、普通の国から特殊な国へ移るのが大変なのと同じように、特殊な国から普通の国へ移るのはとても大変というのが実感です。

悪いニュースばかりではなく、日本より有利な部分もあります。日本ほど年齢差別や性差別がひどくないので、この点はうれしい点。実力と関係なく理不尽な扱いを受けている人にはチャンスがあります。また日本のように働き方や生き方が固定されないので、いつでも再出発しやすい環境があります。働きながら学校に行ってスキルを磨く人も多いし、中年になってから学校に通ってガラッと職種変更をする人もいます。それを手助けする教育環境も整っています。だからすべては本人の努力次第。本人さえやる気があるならいつでも道は開けているのです。

一番重要なのは、自分の職種が行き先の就職市場でどういう位置づけになっているのか入念に研究することでしょう。人をバサバサと切っている業界もあれば、人がいなくて困っている業界もあります。就職できる可能性があるかどうかはとにかく職種次第。たとえばITの職種は非常に細かく細分化されていますが、個々の職種によってニーズが違うし、どの職種がどの都市で需要が多いかも違っていたりします。

とはいっても実際に現地に行かないとわからないことがいろいろ多いのも事実。こればかりは当たって砕けろ!の精神で飛びこんで、挫折を繰り返しながら進むしかありません。とことん調べたうえで行けそうだな、と思ったら、あとは実行あるのみ。最悪の事態も考えておいたほうがいいでしょう。リスクを負う勇気がない人は大きなものを獲得することができないのは、どんなことに関しても同じです。

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住みやすさはOECDで第一位

OECDのBetter Life Index(より良い暮らし指標)が発表されました。これは、住居、収入、仕事、教育、健康などさまざまな指標でOECD諸国の生活の質を比較するものです。オーストラリアは34カ国中二年連続一位。この裏にあるのは、景気の良さ、高い就業率、高い賃金、ワークライフバランス、健康、教育程度の高さ、生活環境の良さなどで、これについてはWall Street Journalが記事の中で解説しています。

景気低迷する他の先進諸国を差し置いて経済が安定しているのは、近年の採鉱景気のおかげ。国の主産業である鉱業は、中国の急成長と共に今後しばらくは成長が見込まれています。私の住むクイーンズランド州と西オーストラリア州は特に鉱業が盛ん。今は需要に人材の供給が追い付かず、鉱業会社は失業者が多いアメリカまで飛んで行って技術者を確保している状態で、国内の労組から反発を食らっているほどです。この成長は鉱業会社だけでなく周辺産業にも影響を及ぼし、私のいるIT産業でも、特に成長が目覚ましい西オーストラリア州の州都のパースでは仕事の口が多いです。オーストラリアの失業率は世界金融危機の後は5%台を保っていましたが、最近5%を切りました。これは他の欧米諸国に比べると目立つ数字です。

でもいい話ばかりではありません。欧米日の低迷はオーストラリアにとっても不安材料だし、年々上がる物価は私たちの生活にとって負担になります。小売業はお客を海外の安いネットショッピングに取られて苦戦中。最近の豪ドル高で輸出産業の製造業や観光業も苦しい戦いです。先日、七月から始まる来年度の国家予算が発表されましたが、財務大臣は財政を黒字に戻すのは比較的余裕のある今のうちだとは鼻息を荒くしていて、来年度中に黒字にするため、国民にも負担を求めています。結果として税金が上がったり国からの補助が減って可処分所得が減る傾向があります。他国と比べて生活の質は高いにもかかわらず、国民の満足度はそれほどでもないという調査結果も、もしかするとこの辺から来るのかもしれません。「ひぇーまたかぁ、勘弁してよー、でもまあ仕方がないか。ブツブツ・・」といった感じかな。それでも、バブル経済時から不良債権処理を先延ばしして失われた十年に突入し、今でも債務を増やし続けている日本を見ている私としては、余裕のあるうちにちょっと無理をしてでも借金を返しておくのはごくまともな国の運営方法だと思います。国の将来のために税金や電気料金の値上げするというと、国民からすさまじい抵抗にあう日本は大変です。OECD平均56%に比べ、オーストラリアの国民の71%は政府を信頼しているというのも特筆すべきことだと思います。

オーストラリアの男性は一日3時間も家事に時間を割いているという調査結果にはびっくりしました。確かに日曜大工をしたり庭の手入れをしたり育児に参加したりと、よくやっているなあと思います。これも仕事より自分の人生や家族が大切という社会通念や労働環境の良さが影響していると思います。

かなり昔に移住した人に「今頃オーストラリアに来て何かいいことあるの?」とまじめな顔で聞かれてびっくりしたことがあります。オーストラリアは近年まで絶好調な時代が続いて、物価は安く、不動産を買えば値上がりし、銀行にお金を預ければ金利は8%ぐらいでどんどん貯金は増え、年金もがっつりもらえ・・・というなんとも幸せな時代だったそう。昔からいる人からすると今なんてどこがいいの?って感じなのかもしれませんが、WSJの記事にもあるように、この「ラッキー・カントリー」は世界中から移民を引きつけています。確かに他国から来た者から見ると、幸せな国だなあと思います。結局何と比較するかの問題で、オーストラリアも何もかもバラ色ってわけじゃないんだけど、今は他の先進諸国が悪すぎるので相対的によくなっているのかもしれません。しかし他国の混迷ぶりをよそにこれだけ我が道を行けるというのは、やはり資源国の強みだと思います。

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どうして日本からの移住者が少ないのか

労働人口の三分の一が海外生まれのオーストラリアでは世界中から移民が集まっていて、英語を母国語としない移民も三分の二を占めます。職場の私のチームも、出身国はオーストラリアの他、インド、スリランカ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、中国、日本、ロシアと、国際色豊か。今までで一番長い居住国が出身国やオーストラリアでない人もめずらしくありません。ところが今まで多くの組織で働いてきた中で、日本人に職場で会ったことは一度もないのです。企業の駐在員はある程度いるようですが、自分の意思で働きに来ている人はとても少ない気がします。日本人留学生や移住者は一昔前はたくさんいたようですが、最近はめっきり減りました。

私の住むブリスベンにはもともと日本人は少なく、シドニーとかアジア諸国に行けばもっとたくさんいるのでしょうけど、それにしても他の国からの移民の数と比べるとその差は歴然。日本人以外の主要な国の出身者とはほとんど職場で会っているのに、なぜ日本人には会わないんだろう?私の少ない経験からすべてを判断するつもりはありませんが、国の経済規模や人口、地理的条件から考えても、バランスが取れているとは言いづらく、なぜ日本人にだけがこんなに少ないんだろう?と不思議に思います。そういえばアメリカ人の移住者も少なくて、今まで三人しか会ったことがありません。これはアメリカは日本とよく似ていて、自国のマーケット規模がある程度大きいので外の世界を見る必要がなく、内向き志向が強いことがあると思います。

移住する理由は生活環境、気候、キャリア、国情など、いろいろあるでしょう。必ずしもキャリアアップとか広い世界を経験したいからなどという前向きな理由ばかりではありません。イギリスやギリシャ、イタリアのように経済状況が悪く仕事を見つけるのが大変だからという人もいるし、大地震が来る恐れがあるからというニュージーランドからの移民もいました。そういえば節税対策のため、アメリカ国籍を捨ててシンガポールに移住したフェイスブックの共同設立者もいたっけ。今自分が住んでいる国には安心して住めなかったり、不利益があるという理由で、一時的または永久的に住む国を変える人は普通にいるのです。

さて、日本ですが、経済発展をしていて食べ物がおいしく、品質のよい製品があふれ、社会インフラも整い、安全な国であることは間違いありません。ただ近年では急激な高齢化、とてつもない規模の累積債務、年金破綻、原発事故による土壌や食べ物の放射能汚染、大地震による都市崩壊の可能性など、将来は安心して暮らせなくなる要素は山ほどあります。政治家と経営者があまりにもお粗末。国を引っ張る人材が皆老人で、一昔前の発想から抜け出せないので革新や成長がない。税金や人件費の高さや電力供給の不安による企業の海外移転。既得権者が利益を謳歌し、若者は過去の負担の引き受け人。劣悪な労働環境。社会全体を覆う閉塞感・・・。移住を考えてもおかしくない理由は十分すぎるほどあります。これがほかの国だったらとっくにもっと多くの人が移住してるんじゃないかと思います。働き者の日本人への信頼度は高く、教育レベルも高く、誰もがパスポートで自由に海外旅行ができるほど国としての信頼度はまだまだ高いんですから。

これはやはり日本人の視野の問題で、生活の場を海外へ移すという発想がそもそもない人が多いのだと思います。日本は海外の情報が極端に少ないのもあります。平和ボケもあってわざわざ海外へ行く動機がないのかもしれません。原発事故以来移住を考える人も増えているようですが、動機はあっても言語の問題は大きいと思います。学校でコミュニケーションのための英語を教えないんですから、小さいころから学校で教育を受けている海外の人にかないっこないのです(私も含め)。また海外で被雇用者になるとすると、日本の特殊な学歴事情や終身雇用の慣行のもとでは、他に転用できるスキルがつきにくいという不利もあります。それに加えて、日本人の会社や国など、自分が所属するものへの依存体質が足かせになっているんじゃないでしょうか。まわりと同調することが大切な日本の社会にいるとなんとなく回りに流されてしまい、自分が人生の主役であるということを忘れそうになります。「どこに住もうが自分は自分」「苦労しても自分の道は自分で切り開く」という考えを持った人は海外の人に比べて少ないように思います。海外移住する=国を捨てる=非国民のようなムラ社会丸出しな考え方をする人もいます。

住み慣れた祖国を離れて他言語で生活するのは決して楽なことばかりではないし、誰もがいろんな条件をクリア出来るわけではありません。必ずしもいい結果を生むわけではないしいいことずくめでもないので、誰にでも勧めようとは思いません。でもこれほど多くのまわりの人達が人生のときどきで住む国を変えたり、国をまたいで自分のやりたいことを実現したり、将来のリスクを回避しながら自分の人生を思ったように生きているのを目の当たりに見ていると、どうして日本人だけが自分の国に引っ込んでいて出て来ないんだろう?と素朴な疑問を感じてしまうのです。人によって生き方はそれぞれ。今住んでいる所が必ずしも自分にとって最適な場所とはいえないのですから。忙しい日々の中での束縛や狭い世間の常識、他人が敷いたレールからちょっと離れてあたりを見回してみると、今まで考えていなかった可能性が見つかるかもしれません。自分で敷くレールの上を走ることこそ、生きてるってことなんじゃないでしょうか。

テーマ : 海外にて日本を考える
ジャンル : 海外情報

住みたい所に住む

シドニーに住んでいた友人がブリスベンに越してきたというので、しばらくぶりに会いました。彼はもとはフランスの出身、オーストラリアに移住してシドニーにずっと住んでいましたが、新しい世界を経験するために2年ほどシンガポールで仕事をしてシドニーに戻りました。で今度は転職してブリスベンへ。でもここは刺激がなくてつまらないので、来てまだ2カ月だというのにもうすぐゴールドコースト(ブリスベンへの通勤範囲内)へ引っ越すそうです。たしかにブリスベンは住みやすいところですが、遊びや観光に適した所ではありません。

この国では、というか特にオーストラリアだけでないと思いますが、国内国外に関わらず自由に住む場所を変えながら生きている人がたくさんいます。オーストラリアの国内移動だけ見ても、仕事を辞めて、または前の仕事を続けながら、住む土地を変えるのはよくあること。特にブリスベンは温暖な気候を求めて他の州からやってくる人が多いです。

国境を越えた引越も普通のことで、いろんな国を渡り歩いている人も珍しくありません。私の前のルームメートは、「日本→ニュージーランド→オーストラリア」の人と、「香港→アメリカ→オーストラリア」の人だったし、南アフリカ→ヨーロッパ→オーストラリアなどのパターンも多いし、香港→オーストラリア→香港→オーストラリア、シンガポール→オーストラリア→シンガポール→オーストラリアの友人もいます。オーストラリア人でヨーロッパに何年か暮らして、また戻って来る人も多いです。

住む場所を変えるのはいろんな理由があるでしょう。オーストラリアへの移民はイギリス、ニュージーランド、中国からの人たちにとって特に人気ですが、最近私のまわりでは経済状況の悪化でイギリスやニュージーランドからやって来る人が多いです。生活の質を向上させたい人もいるし、自分と相性のいい土地で暮らしたいという人もいます。キャリアアップという理由もあります。私の同僚の女性はフィリピンからオーストラリアに来て、情報システムの先進国での仕事を経験するためにアメリカに渡り、何年か仕事をした後オーストラリアに戻ってきました。ビジネスがグローバル化している現在、国際経験があるのはキャリア上有利なので、レジュメに堂々とそれを書きます。特に技術者は海外で仕事をしやすいこともあり、いろんな国で仕事をしている人が多いです。

新しい世界を経験したいからという理由もあります。同じ国や土地に長くいると視点や考え方が固定されてしまいます。違う国に住むということは大変なこともたくさんありますが、新しい経験をし、新しい人に会い、自分の世界が広がるし、人生がより豊かになります。私の場合は、日本を出て世界観が180度変わってしまいました。日本では国内ニュースが中心で海外のニュースはあまり入ってこないし、人材の流動も少ないので世界が遠い感覚がありますが、オーストラリアでは国内だろうと国外だろうと同じ扱いでビッグニュースを優先して扱うし、日常的に海外からの情報がどんどん入ってきます。いやでも自分は世界の中の一員なんだということを意識してしまいます。

日本では人生のステージやキャリアアップの都合に合わせて住む場所や国を変えるという感覚がありません。私がオーストラリアに移住することを伝えたときの日本の職場の反応は、技術者集団でしたが、こっちがびっくりしてしまうほどでした。「オーストラリアに骨を埋めるんですか」とか「何年ぐらい行ってるんですか」とよくきかれ、返答に困ったものです。農耕民族と狩猟民族の違いという意見もありますが、今や国の間の垣根が低くなり、ヨーロッパでもアジアでも国をまたいで仕事をしたり住む場所を変えることは珍しくなく、特にビザを取りにくい国でもないという条件を考えると、日本は特異な国だと思います。

今後日本では産業の空洞化とグローバル化が進み、国内では仕事が少なくなり、海外に職を求めたり海外の人達と競争しなければならなくなります。日本で移住や海外就職を目指す人達は、人生を日本に固定化した考え方が圧倒的な社会にいると不安になることも多いと思いますが、日本を一歩出れば、その時々の都合で住む場所や国を変えることは普通のことです。

そういう私も今はブリスベンに仕事があり、この土地が気にいって人生を楽しんでいますが、この先なにが起こるかは誰もわかりません。10年後は他の街や国にいるかもしれません。何があるかわからないから人生っておもしろいんですよね。

テーマ : オーストラリア
ジャンル : 海外情報

プロフィール

divayoshiko

Author:divayoshiko
よりよい生活と仕事環境を求めて、日本の会社を辞めてオーストラリアに移住しました。IT技術者として生活を確立するまでの様子、日々の生活や仕事のこと、現地情報、オーストラリアや日本について感じることなどをつづっています。メルボルン在住。
Twitter @divayoshiko

これまでの歩み
2009年
4月  技術独立ビザで永住権取得
2010年
1月  東京からブリスベンに移住
2月  シドニーに移住
4月  ブリスベンに移住
5-6月 メルボルンに長期出張
2014年
2月  メルボルンに移住

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